トマソトース 極み/科学的にレシピを考える

 

 

時短、簡単、お手軽料理の類のレシピはweb上に沢山あります

また著名なシェフのレシピも多数の書籍になってます

 

僕の料理は素人のウィークエンド限定の趣味

 

ならばいっそ。。。

少し違った視点から究極のレシピを求めてみようかと^ ^;

 

「物事には訳がある」

つまり原因と結果の因果律です

 

美味しくなるにはそれなりの「訳」があるはずです

それの「訳」は言い伝え、経験則によるものが多いはず

 

そこに「何故」の科学的なアプローチを試みて「原因」を求め

納得のいく「訳」を理解して

科学的根拠のある「美味しさ」を作れたら。。。

 

そんな思いから

「極み/科学でレシピを考える」を実験的に行っていきたいと思います

 

初回は僕の定番「トマソソース」です

 

 

 

 

僕が料理をする姿を見て理系女子のjijottyがいいました

 

「お父さん 料理って化学反応だね」

 

 

。。。

 

普通の女子に育ってくれればよかったのに>_<(笑)

 

 

 

chojolyなら間違いなく「美味しそう!♡ ♡」

 

となったはず

 

 

 

でもjijotty 

 

云われてみれば確かに一理ある

 

 

 

 

jijottyの発言がこの実験のトリガーでした

似非理系男子の僕の好奇心の弦を強く弾いたことは間違いありません^ ^;

 

それまでアート魂に任せてエアークッキングの妄想一期一会レシピが主だった僕にとってきっちりとした計量や温度管理は苦手分野>_<

 

しかしこれも新ことへのチャレンジとして意識を慣らしていこうと思います^ ^

 

 

 

 

 

 

考察/トマトを知る

トマトソースならばまずはその素材となるトマトを知らなければいけません

 

 

 

トマトの分類方法とその代表格をまとめてみました

表からもわかるようにトマソトース作りでは日本で一番一般的な桃太郎は不向き

 

トマトソース作りは

①サンマルツァーノ種のホールトマト缶を使います

 

なぜカットトマト缶ではなくホールトマト缶かと云いますと、ホールトマトに使われてるトマトの品種は加熱調理に適したサンマルツァーノかその仲間の品種が多いからです

 

 

 

 

②複数のトマトを使うこと

 

同じサンマルツァーノのホールトマト缶でも品種が違います

 違う品種のサンマルツァーノを使うことで味に深みが出ます

 

ちなみに右端の写真はシシリアンルージュ

 

中玉のこの赤系トマトは調理・加工用トマトの傑作と呼ばれピンク系のトマトに比べてリコピンが約8倍、旨み成分のグルタミン酸が約3倍あります

女子栄養大学の調査)

 

 

 

 

今回は「極み」の実験ですので缶詰と生のトマトでソースを作っていきます

余談ですが水に沈むトマトは糖度が高くて甘いトマトなそうです

 

シシリアンルージュはヘタを取りフードプロセッサーにかけます

トマトの旨み成分のグルタミン酸は果肉周りで86mg/100g

でも種の周りのゼリー部分で141mg/100gで断然種の周りが美味しいのです

 

さらにトマトの皮に含まれるペクチンがソースをよりトロリとさせます

ですから

③生の加熱用トマトは皮も種も使います

 

 

 

 

 

 

考察/赤唐辛子を知る

中南米が原産地の唐辛子のナス科トウガラシ属に分類される赤唐辛子

それを乾燥さてものを鷹の爪とも呼びます

 

トマトソースに必須の赤唐辛子についても考えてみます

唐辛子の辛味成分はカプサイシン

 

これは生姜の辛味成分のジンゲロール、ショウガオール、胡椒のピペリンの

100〜200倍の辛さがあります>_<

 

 

 

 

そんな唐辛子でも特に種は激辛です>_<

 

下準備として唐辛子の身を割って中から種は完全に出しておきます

 

種の部分が辛いという唐辛子ですが実は辛いのは種ではなく種を付けている胎座と呼ばれる白い部分ですから生の鷹の爪から、その胎座を取り除いて調理すると辛味が激減してししとうのような味になってしまうとか

 

でも乾燥させたものは乾燥していく段階で辛味成分のカプサイシンが種や果肉に移っていくので周りだけでも辛くなるそうです

 

 

 

 

トウガラシの辛味を抜く方法は乾燥したトウガラシを半分に切りタネとワタの部分を取り除き35度のホワイトリカーに2時間ほど浸けるだけらしい^ ^

 

ちなみにししとうなどの青い唐辛子は加熱することで甘みが出てきます

 

 

 

 

考察/ニンニクを知る

 

 

中央アジアが原産地とされているニンニクはネギ科に属し日本には8世紀頃中国を経て伝わったようです

 

その中国は世界のニンニクの8割を生産しています

国産では青森県の田子町産が有名ですね

 

さてこのニンニクには沢山の効果効用があります

主だったもので

 

1 抗菌、殺菌および解毒を行う効能

2 ビタミンB1の吸収を高める効能

3 血栓を作りにくくする効能

4 活性酸素を除去する効能

 

活性酸素を除去する効能は癌の予防効果としてアメリカ国立癌研究所のホームページでも公開されています

 食用としては肉の臭みを消し食欲をそそる香味を与えます

 

 

 

 


ニンニクといえばその強烈な臭みが思い出されます>_<

 

この匂いの元はアリインというタンパク質にんにくを切ったりおろしたりして空気中の酸素に触れるとアリナーゼという酵素が働いてアリインがアリシンに変わり強いニンニク臭を発生します

 

ニンニクはアリシンに変わる過程で薬効を働かせます

 

 

 

国産と中国産のニンニクの違いは。。。

まず見た目で国産は大粒できっちり6粒というのが多いようですが中国産は粒の数も多く小粒です

 

科学的な根拠はありませんが国産は焦げつきにくい気がします

弱火でオリーブオイルのお風呂の中で泳がせていてもまず変色しません

 

さてに良いニンニクの選び方ですが下記がポイント

 

1 皮が白い物

2 なるべく重い物

3 できるだけ国産

 

 

 

 

調理/トマトソース 極みを作る

いよいよ調理

さて今回の食材は

 

①ホールトマト缶/1缶(400g)
シシリアンルージュ 300g
③ニンニク 4欠片
④赤唐辛子 1/2本
⑤ピュアオリーブオイル 大さじ2
⑥塩 適量
⑦赤ワイン 大さじ2
三温糖か上白糖 小さじ1
⑧蜂蜜 適量

 

 

 

シシリアンルージュはヘタを取って洗っておきます

 

 

 

定番のホールトマトとシシリアンルージュの二種類でトマトソースを作ります

 

 

 

ニンニクをみじん切りにします

 

 

 

やり方はいろいろありますが

ポイントは

④極力同じ大きさにすること

 

それで火の通りが均一になります

僕はこの方法で切りそろえます

 

 

 

鍋に傾斜をつけてオリーブオイル入れてお風呂を作りまう

そこにみじん切りにしたニンニクを入れ火をつけます

 

勿論弱火です

 

 

 

オリーブオイルがフツフツしてきたら赤唐辛子を投入

 

⑤唐辛子の投入時間は要注意です

辛味の好みや唐辛子の種類にもよりけりですが僕は約1分〜1分半を目処にしています

 

 

 

ニンニクの考察でも書きましたが国産ニンニクは弱火ではまず焦げることはありません

 

 

 

そこで香ばしさを足すために一度中火にします

ここでうっすらとニンニクが色づき始めたら火をすぐに止めます

 

あとは余熱でいい色になります

くれぐれも火の通し過ぎには注意します

 

 

 

 

火を止めた状態で先にホールトマトを投入

 

その時は「マンマのマジカルハンド」で美味しくな〜れ^ ^と念じながら

 

五本の指の隙間から

⑥トマトの果肉がこぼれ出る感じで潰していきます

 

決して潰し過ぎないように^ ^

これで果肉感の残るソースと煮込んでる最中にヘラで潰して均一感のあるソースの双方を作れるようにするための方法です^ ^

 

 

 

次にシシリアンルージュを投入

 

弱火と中火の中間ぐらいの火にかけてアーリオオーリオとトマトをよく混ぜます

 

 

 

トマトソースを作る時に困るのがトマトの跳ね>_<

レンジ周りや時にコックコートにも飛んできますね

 

それを抑えるのがこの裏技⑦鍋の上に笊で蓋をします

これで湯気は逃げますがトマトの跳ねは抑えることができます^ ^

 

 

 

 

⑧トマトソースの煮込みの目安は15分

 

弱火と中火の中間で途中定期的にかき混ぜながらこれを一つの目安にします

15分煮込むとトマトの酸味の角が取れるはずです

 

もっと甘みを引き出したい時には2分単位で煮込み時間を増やしますがそれに伴って水分も蒸発します

 

ですから15分の煮込みをベースにそれ以降は調味料の助けを借ります^ ^;

 

 

 

15分煮込んだトマトソースの味見をします

程よいトマトの酸味とうっすらとした甘みを感じるでしょう

 

そこに赤ワインを投入

1、2分煮込んでアルコール分を飛ばします

 

ここでも味見

酸味が強くではなく深くなった感じがするはずです

 

このワイン投入からは本人のこの好みです

ワインの量を多くすると一定線からトマトではなく葡萄の酸味が表に出ます

 

レシピの分量はあくまで目安としてください

 

 

 

ここからはご存知「味付けのさしすせそ」

 

なぜこの順番なのかというと各々分子量の大きさが主な理由です

ちなみにワインなどのアルコール類(酒、みりん等)は砂糖の前に入れます

 

ですからここで砂糖を入れます

 

ちなみに正当?なイタリアンレシピのどれを見ても砂糖は使いません>_<

しかし今まで数えきれないほどのトマトソースを食べてきましたが

美味しい!と思えるものには独特の甘みを感じました^ ^

 

その時の美味しさを再現するために加えた加糖するレシピは僕独自のもので正当イタリアンから見れば邪道でしょう>_<

 

しかし聞くところによるとプロのイタリアンのシャフでも公言はしないものの砂糖を使っている方もいるとか…

要は美味しいか否かです^ ^;

 

この砂糖やハチミツの投入はトマトの甘みを引き出すための

いわば「呼び水」

 

決して砂糖で甘さを加えるものではありません^ ^;

 

 

 

 

次にお塩です

 

イカにお塩をかけて食べるとかよく塩はものの甘みを引き出すといわれます

でもそれは真実で塩化ナトリユムには糖度を上げる性質があるのでしょうか?

 

塩化ナトリユムにそのような性質は見当たらないようです

ではなぜそういわれるのでしょう?

 

どうもこれは味覚神経に関わることのようです

つまり甘味よりも塩味の方が先に脳に伝わるようです

 

そうなることで後からくる甘味がより強く感じられる理屈です

 

これにもとずくと塩加減は重要です

つまり甘味を増すわけではなく甘味を強く感じられるように神経を惑わすためのものだから^ ^;

 

つまり呼び水の砂糖を加えての味見で十分甘味を感じたなら不要ということになります

 

 

 

 

最後にハチミツです

 

ハチミツは風味、正しくは甘味に奥行きを出すために入れます

ですからこれも極めて少量です

 

量を間違えるとハチミツの甘味が表に出てしまいます

 

 

 

今回完成したサルサ・ポモドーロのパスタ

 

僕はトマトソースだけのパスタの場合混ぜ合わせることはしません

食べてみて感じたことは食材は一緒なのに味がいつもより複雑で深いこと^ ^

 

とても美味しく出来ました

 

 

 

 

やはり「物事には訳がある」

二種類のトマトを使っただけでここまで変化するんですね^_<

 

 

 

 

今回の纏めです

 

①サンマルツァーノ種のホールトマト缶を使用

②複数のトマトを使う

③生の加熱用トマトは皮も種も使う

④ニンニクは極力同じ大きさに切り揃える

⑤唐辛子の投入時間は要注意

⑥鍋の上に笊で蓋

⑦トマトソースの煮込みの目安は15分

⑧砂糖、塩、ハチミツは特性を知って使い分け

 

 

 

これがかなり具体的な「トマトソース 極み」のレシピです^ ^

少し手間はかかりますがこのブログを読んで関心を持った方は是非トライしてみてください^_<