異例
定年退職になっても嘱託で残る人の送別会はしないというのが通例。
でも僕の定年最後の日にはサプライズが待っていました。
ビルの竣工を迎えてから開業までの間、その準備スタッフとして選ばれた苦楽を共にした仲間が送別会を催してくれたのです。
彼らがイタリアン好きの僕のために用意してくれた店は、七里ガ浜にあるイタリアンの名店アマルフィの姉妹店^ ^
場所は新横浜でした。
僕はブラッドオレンジジュース、他はみなシャンパンで乾杯。
乾杯の前に一人一人から謝意を表され、少し胸に熱いものを感じてきたころに僕の言葉となりました。
ひとしきり今までのすべてに感謝を述べてから、心合わせの大切さを伝えました。
顔合わせの後すぐに力合わせをするから、足し算にしかならず時には引き算になることすらある。でも顔合わせのあと心合わせをしてからの力合わせは、足し算を超えて掛け算になることもある。
この仲間は心合わせがあったからこそ、この少数で開業準備ができたと。
かなり堅めの職場にあって、僕が仕切ることになったプロジェクトは異色の柔らかがあるとさ噂されていましが、それはオフでも続き、陽気で後腐れのない節度ある無礼講が、場を楽しく誰もが時間を忘れる宴でしたが、今回もまったく同様。
予想もしなかったドルチェプレートへのサンクスメッセージに、僕のセンスを伝えてオリジナルで作り上げてもらった華やかな花束。
どうしてもその場で開けてほしい、僕の感性がyesというかを確認したいといわれた、僕好みを一所懸命探してくれたハンカチ。。。
心から自分は幸せ者だと思いました。
新横浜を出たのは22時過ぎ。
最後ぐらいは新幹線でとも思いましたが、根が貧乏性なのと4ヶ月通った東海道線を最後に堪能したいと思い、
いつも通りの帰り道。
奇しくも僕と同じ花束ケースを持ったサラリーマンと電車で遭遇。
多分僕と同じ定年組なのでしょう。
家のドアをあけるとbabarinaが「お帰りなさい。そしてお疲れさまでした」
サラリーマン人生のひとつの、そして大きな節目が過ぎ去った日でした。