初対面の人たちと食事を共にするというのは緊張します、ましてやそれがこれから長い親戚付き合いをする間柄となればなおさら…
昨日は長女が嫁ぐであろう相手のご家族と顔合わせをしました。
先方は都内の方ではないので、わざわざこの日のために上京してくれました。
そんなこともあり場所は僕の方で何かの際に使わせていただいている料亭を手配しました。
この手のことは断片的に話を聞くことはあっても、自分ごととして意識してはいません。
ですから手順や話す内容などについて無知、顔合わせが決まってからそれについて調べたような有様です。
その上でドレスコードや手土産に関して、娘を通じて先方のご両親とすり合わせができました。
そういった下準備に先方のお人柄もあり会食はとても穏やかに進んでいきました。
ただちょうどお造りが運ばれてきた頃でしょうか、先方からこんな会話がでました。
「お嬢さんは当方でいただくということでいいでしょうか」
一瞬言葉に詰まりました。
結婚を承諾したのだからその時点でその腹は決まっていたのですが、改めて先方のご両親から確認されると気持ちが揺れます。
わずかな間をおいてから応えました、そのつもりですと。
今は昔と違い結婚は多様になっているので形には拘りません。
大切なのは本人達がどうしたいかでしょうから、まず本人達で話し合いそれを先方のご両親に相談して、地域性も含めたご両親のアドバイスも参考にしながら、最終的な形を決めて行ってください。
当方はそれに沿わせていただきます、と付け加えました。
この後、和やかながらどこか根底に一本張り詰めていた緊張感が解消したように感じました。
それからは共に同世代ということもあり、お互いの昔の話や趣味の話などで笑い声と共に穏やかな時間が流れていきました。
帰りの車の中で家内が、嫁にもらうという言葉を聞いたときにわかっていても一瞬躊躇したと話しました。
僕以上に母親ならば尚更でしょう。
でも僕の返答は理想的だったとも褒めてもらいました。
今にして思えばあの言葉は、僕から娘への誠意一杯の「娘孝行」だったかも…
2015年 9月13日の出来事。
洒々落々…
とらわれない心、広く広くもっと広く
高田好胤和尚、僕はそれができたような気がします、たとえ一瞬でも。