祈りの幕が下りる時
一見無関係に見える二つの殺人事件を巡り物語は予想だにしない結末に向かって展開していきます。
起承転結の各場面での時代背景や地理要件、人間関係などに無理や不自然感、つじつまの合わないところがなく、119分の間スクリーンに釘付けになりました。
そもそもミステリーや推理物が好きな僕。
原作を読んだことはありませんが、この映画の予告編を見た段階で内容と、キャストに惹かれて関心がありました。
この映画を見終えた後に思わず松本清張の「砂の器」を思い出しました。
事件の全貌が解明された後、刑事役の阿部寛がつぶやいた一言。
「嘘は真実の影」
真実には明らさまにしてもいいものと、隠したいものがあります。
その隠したい真実の影が「嘘」なのかもしれません。
人生は私小説。
すべての人の人生には光がり影があります。
影があることは実体があるということ。
その影をあたかも真実であるように振舞う人も世の中にはいます。
でも影が一番長くなるのは日没直前。
日が落ちたら影は消え、実体が、事実が、隠しようのない真実だけが残されます。
「嘘は真実の影」。。。深い言葉ですね。
小料理屋。。。少なくなりましたね
ドライブがてらの映画鑑賞。ご飯に選んだのは小料理屋^ ^
小料理屋って響き結構好きです、いや年と共に好きになってきました^ ^;;
フレンチのレストランに対するビストロ、イタリアンのリストランテに対するトラットリアみたいな位置付けが割烹、料亭に対する小料理屋だと思うんです。
小料理屋には愛想のいい、でも少し訳ありな女将さんと無口で黙々と板場で仕事をする板前さんが必要。
立地も決して表通りではなく裏路地に入ったひっそりとした場所。。。
ちょっと東野圭吾のミステリーワールドに影響され過ぎですね>_<
リサーチしたこの小料理屋は口コミで掃除が行き届いているとありました。
その段階で味の好みは置いといて料理人としては間違い無しとなるのです、僕的には。
元呉服屋さん的な色表現で云うと薄紅色の小粋な暖簾をくぐり店内に入ると、店の奥に熊手と簡素な神棚。
着座して振り返ると玄関には板に彫られた千両箱。いいですね、実にいいです^ ^
いやが上にも母が健在の頃日本橋堀留にお着物や和装小物の仕入れで一緒に出かけた際に立ち寄った人形町、小伝馬町界隈の小料理屋の思い出が蘇りました。
小料理やちょっとした和食屋の腕の良し悪しはお造りと揚げ物でわかると、勝手な基準で思ってる僕^ ^;;
本来なら出汁や手間のかけようも重要ですが、和食屋さんにそれを求めちゃ酷ってもの>_<
そんなんこともあり少し期待できそうな和食屋さんでは天ぷらかお刺身を頼むのが常です。
ということでここでも僕は天ぷらを、babarinaは鶏の唐揚げをお願いしました^ ^
ちなみにbabarinaのオーダーは鶏肉をあまり好まない僕からの解放でしょうね、外食で各々好きなものがオーダーできるので彼女が大好きな鶏の唐揚げです^ ^;;
天ぷらは茄子、蓮根、獅子唐、南瓜、鱚、烏賊、海老が二尾。
衣は薄く、定食にも関わらず素材ごとに揚げ時間の違いを感じる職人技のものでした。
天つゆはお出汁の効いた甘さを控えたもの。素材の味を楽しめる上品な味が好印象でした。
ちなみに大将の修業先は関西でしょうかね。
この揚げの技ならば是非次の機会では天丼を食べてみたいと思わせてくれまた。何せ丼汁となると天つゆとはまた違いますし、衣の付け具合も変わるといいます。
かっこむ系の丼物は強めの汁が使われます、この大将の考える丼汁で天丼を試してみたい。。。
そう思わせてくれる職人の大将のいる店でした。
有難うございます、ご馳走様でした^ ^
スポーツカーが好き CIVIC TypeR
今日はダブルタイトル、そう映画と車です。
車好きなら、ホンダフェチなら昨年来どこか落ち着きのない日々を過ごしているんじゃないでしょうか。
それは一時日本でのラインナップから消えたシビックが復活したから。
でもそれだけでいつも心に何か引っかかる毎日を過ごすことになる訳ではありません、ビッグニュースはtype Rが発売されたことなんです。
そもそも僕は根っからのホンダファンではありません。
父がずっとプリンスで通していましたから、僕が幼い頃はスカイライン、その後は歴代のグロリアに乗り続けていました。
僕は使うOS(Apple)や女優(浅野温子)、フレグランス(アラミス)は一途で浮気もないのですが、こと車に関して言えば多くのメーカーを移り歩いてきました。
そんな僕にとってシビックのイメージといえばコンパクトカー、リッターカーぐらいのもので決して好印象ではありませんでした。
しかしそのホンダのイメージを一変させてくれたのがF1^ ^
そのF1参戦で得た技術をフィードバックさせて市販車として世に送り込んだのがNSX。
でも。。。
僕は世に云うスーパーカーにはそれほど惹かれません、その理由がスタイリングが個性的すぎて街にマッチしない、街乗りには不向き。。。
だから車というよりも何か新しい乗り物。。。
車のデザインはどこかブルースな方がいい(笑)
そんな中で同じくF1技術をベースに走りに徹したタイプがtype Rのサブタイトルを冠した車種、これは既存の車をベースに走り屋仕様にするので、そもそも街から浮いたデザインにはなりません。
コンパクトカーのイメージしかなかったシビックも年々大型化してくる中で、type R仕様のものも出てきました。
僕が強く意識したのは右の画像のシビックtype R ユーロです。
この頃はもうだいぶ「ホンダ顔」も様になてきてる頃でしたし、スタイリングからも何かやってくれそうな感じがありました^ ^
その第一印象は理屈なくカッコイイ!
ロー&ワイドでチョイ悪っぽい顔つきは極みに達し、5ドアハッチバックをベースにしたスタイリングは官能的。
この久々に心踊る小悪魔のステアリングを握るチャンスに恵まれたので予約のディーラーまで車を走らせました。
スタイルは申し分なし。特に前45度から見た時と、同じく45度の角度から見た後ろ姿も実にセクシー^ ^
車は後ろ姿もとても重要。
インテリアでまず気になったのはレーシング仕様の深紅のバゲットシート。
そこに体を収めるときっちり体が収まり横Gにも十分に耐えうることが理解できました。
クラッチを切って6速マニュアルを切り返す。。。1−2−3−4−5 実にスムーズ。オーバートップの6速の入りに少し不自然感があるものの許容範囲。
クラッチポイントは走ってみないとわからないが、感覚的にはやや深め。
ただATに慣れてもう数十年、マニュアル車運転の感覚が戻ってきたらどう感じるかわからない。
太めのステアリング感覚を確かめてからエンジンスイッチをON。
低音域にチューンされたエグゾーストが車内でもかすかに聞き取ることができた。
やや深めのクラッチを離してローにミートさせると、スーっ動き出す。
決して踏みすぎることなく2、3とギアアップしてみる。乗り心地はスムーズそのものでスポーツカーという感覚は全くといっていいほどない。
標準装備のブレンボのブレーキを確かめる。
足首の圧力に沿った思い通りのブレーキングができ、神経質すぎることもない。
ちなみに急ブレーキに近いことを試すと、未体験に近いぐらいの制動をみせた、さすがブレンボ。
少し慣れたので type Rの真価の一旦を確かめるべくローで踏み込んでみる。
暴力的な加速感が体を襲い、バゲットシートに上半身が押し付けられた。そのまま、2、3と同じく踏み込んだが、多分6秒台で100kmに達したと思う。
公道なので十分に道路交通法違反速度>_< すぐにブレーキングしたのは言うまでもない。
右折の信号で一旦停止から右に90度ハンドルを切る機会があったので、ローで踏み込んでのコーナリングを確かめてみた。
僕の今の所有車なら明らかにリアが泣くぐらいのコーナリングにも、何事もなかったように、まるでで磁力でも働いているような安定感。FFなのにリアに全く不安を感じない。
凄い。。。本当に凄い。
思えば免許取立てで生まれて初めてのマイカーが三菱のギャランGTOという、当時としては日産フェアレディーZと双璧をなすスポーツカーでした。
あれから三十年強、十数代の車を乗り継いできました。
そして還暦を迎えることし、また純粋なスポーツカーと出会いました。このステアリングを握れる毎日に憧れはあります。
でも、人生のスパイスとしては少々痛い出費になる。
ユーミンの「14番目の月」と同じ、恋焦がれてる今が一番幸せなのかな?(笑)
試乗という名の一時のデートが一番なのかもしれません^ ^;;