プロのイタリアンと、なんちゃってイタリアン

 

 

プロのイタリアンに酔いしれる

月に一度は通いたいイタリアンに、7月14日土曜日に伺いました。

前回はここでファミリーから還暦の祝いをしてもらいましたね。

だいたい月に一度のペースを保っているからでしょうか、前回までの数回で、パンとコーヒー以外、アンティパストミストも含めて全ての皿で同じメニューになったことがありません。

レシピの引き出しの多さ、イタリア本国仕込みの確か腕と想像力、トラットリアらしい気取らない雰囲気とスタッフの人柄。。。

にもかかわらず、料理の説明はちょっと名の通ったリストランテ以上で、しかもこちらからの質問にも的確に答えてくれて、作り方に至っては時間を見てシェフが直々に教えてくれるとい親切な対応。

こうなると自宅から一時間以上のドライブでも、通っちゃうわけですよね^ ^

 

 

 

この日のプリモピアット三種はタリオリーニ、オレキエッテ、ピチ。

前者二つは経験済みのパスタですが、手延べうどんのようなピチは初めてです。興味津々でしたね。

パンに関しては定番のようです。

グリッシーニ以外は基本的にソースを残さず食べるために用意しておきますが、焼きたても美味しいのでついつい、つまみ食いしちゃいますね ^ ^;;

 

 

 

さて、いつものように五種類のアンティパスト。

画像の下から、ステッキオのマリネ、オレンジ添え。

ステッキオとはフェンネルの一種で、イタリア野菜のフィノッキオを日本人の好みに合わせて品種改良したもののようです。

多分白ワインビネガーかシャンパンビネガー、オリーブオイルと砂糖、塩、場合によって多少の蜂蜜のマリネ液で和えられたものだと思いますが、これがことのほか美味。オレンジが爽やかさの演出でいい仕事をしていました^ ^

カルパッチョはカワハギで、何と肝のジェラートを使ったものとか。。。もう異次元ですね(笑)

スルメイカの詰め物も、いい感じにトマトの風味を纏っていて、特に暑いこの季節には生っぽさと生臭さが飛んで、深く味わい深い一品になっていました。

次の揚げ物は確かパロッテと云っていたと記憶しています。

硬くなったパンを摩り下ろしたものに、卵、ミルク、パルミジャーノの摩り下ろしを混ぜて油で揚げたものなそうです。

感じとしては沖縄のアーサーアンダギーに通じるものがありますが、そちらは砂糖の甘さで、パロッテはミルクとチーズの甘みの違いがあるようです。

最後は生ハムメロン。

ところがメロンはイタリアはサルディーニャ産のものとのこと。生ハム自体は特筆すべきものはありませんが、メロンの甘みが濃い。生ハムの塩加減と濃い甘みはベストマッチですね。

 

 

 

タリオリーニ和歌山県産の桃とレモンの冷製で供されました。

桃の冷製パスタ。。。懐かしい〜〜〜!の話題は後にして、何しろこのビジュアルに驚かされました。

僕の知ってる、経験した、作った冷製パスタは、冷製のソースを纏ったものはあるものの、覆われているのを見るのは初めてです。

口にしてみると。。。初めから冷えた桃の甘み旨み酸味が口の中に広がり、その後になるほどパスタも、という感じで驚きましたし、文句なしに美味い。

もうこれは再現必至とレシピを想像。。。

僕のイメージレシピは、桃にレモンの絞り汁をヨーグルトとミルクのハーフ&ハーフに入れてフープロヘ。それを冷やしてパスタと会える直前に、よく冷えた桃を加えて食感を出す。。。

ところが作り方を尋ねてみるとヨーグルトやミルクではなく生クリームとの回答。

しかも桃はフープロで撹拌する前に少し炒めるとか。。。なるほど水分を飛ばして甘み増強の術を使うわけですね!ということで再現決定^ ^

右の画像は僕がペコリに投稿した桃の冷製パスタ。

何と投稿日は2013年8月11日、もうかれこれ5年前です>_<

僕の作り方は冷たいアリーオーリオを作って、それで冷えたパスタを和えて桃をトッピングする方法。

あの頃は、これでも十分に美味しかったのですが、今回の桃の冷製パスタで路線変更を決定(笑)

このトッピングではない100%桃を楽しめるパスタには勉強させられました。

 

 

 

二皿目は生しらすと枝豆を使ったオレンジ風味のオリキエッテ。

夏になるとパスタにフルーツの風味をつける、果物を使ったパスタを作ることが多くなりますが、このオレンジ風味のオリキエッテは絶妙でした。

枝豆の香りと味が、しらすの持つ塩味と絡んで、まるで枝豆の塩茹でを食べているような感覚になり、食べ終わりにオレンジの甘みと酸味が口の中にポッと広がり、この物語の土台を小麦の感じが長く続くオリキエッテが支えてる感じ。

とても印象深い一皿でしたが、ちょっとこれは作れそうにありませんね>_<

 

 

 

最後がうどんのようなピチ。

入間豚を使ったトスカーナ風ラグーで供されたピチの皿の周りには、摩り下ろしのパルミジャーノが。

予想通り?このうどんのようなピチは、まさにうどん。

しかもコシのある讃岐うどんではなく、茹ですぎ?と思えるぐらい柔らかい伊勢うどんに近い食感。アルデンテとは無縁のようなピチ。

ところが、このラグーと共に食べると実にいい感じ、美味しいのです。というか、このラグーが半端なく美味しいのです(笑)

まあ、トスカーナ風となっていますが、早い話がボロネーゼ。

ただし正確を期すと、ボロネーゼ発祥のボローニャトスカーナ州のお隣なので、表記としてはこれが正解でしょう。

ボロネーゼにはボローニャ商工会議所が決めた由緒ただしいボロネーゼのレシピがあり、そのレシピにそってボロネーゼのラグーを作ったものをペコリに投稿しました。それが右の画像です。(ちなみに投稿日は2014/11/9)

トスカーナ風なので多少レシピに違いはあるでしょうが、何しろここのは美味い!

どんな風に美味しいかというと、野菜もさることながら肉、特に豚の脂身の甘みがきっちり引き出されていて、それが野菜達に絡んで、肉と野菜の味が渾然一体となっているのです。

そしてこの渾然一体感には、食感で変化をつけない存在感の少ない、ピチのようなパスタが合うかも。

何しろ美味しかったです。

まさか。。。ここまで褒めてから、ピチの茹で時間を間違ってました!ってことはないでしょうね(笑)

 

 

 

セカンドペッシェはサワラの香草パン粉焼き、ソースはとうもろこしでした。

添えられてるの野菜は南瓜、ズッキーニ、ゴーヤ。

相変わらずの皮目はパリパリ、身はジューシーな絶妙な火入れの魚には感動モノ。

とても美味しかったです。

不満は全くありませんが、ハイレベルがゆえにより一層の期待を込めて云うと、サワラのような淡白な白身の魚のソースとして、甘みの主張が結構強いとうもろこしのソースがベストマッチだったかに疑問です。

果実系の甘みは酸味も加わり複雑系の風味にもなりますが、とうもろこしは最初から最後までストレートな甘さだけ。

これでは味が単調になり、白身魚の繊細さを味わうには必ずしも適正とは言えないように感じます。

もう一捻り、次回に期待します。

 

 

 

セカンドカルネの肉料理は、葡萄牛のランプのステーキ、バエルサミコソース添えです。

魚料理での微かな疑問すら吹き飛ばす、良質な食材と部位、完璧な火入れ、最高のソースと三拍子そろったステーキでした。

葡萄牛は何処かで経験した記憶があるのですが、名前は覚えていても味の記憶がありません。つまりは、味覚に刻まれる食材ではなかったと云うこと。

ところが。。。この店で供された葡萄牛は、正に味覚に記憶される味わい。ビーフが持つミルク感はほとんど無く、噛むたびに葡萄の香りと風味を感じるものでした。

その風味を更に確たるものにしてくれてるのが、皿に芸術的に描かれた葡萄から作られるバルサミコソース。

ペッシェの素材とソースのアンマッチ?をリカバーしておつりがくるベストマッチでした。

何ともあじわい深いカルネでした。

 

 

 

ドルチェのメインは自家製レモンケーキ。脇を固めるのはマンゴーシャーベット、ブルベリーのアイスとメレンゲのケーキ?

ドルチェ系に疎い、弱い、よく分からない僕でも、美味しいと感じる優れ物。

 

珈琲はマシン淹れなので特筆すべきはないですが、普通に美味しいものでした。

 

毎回訪れる度に驚きを与えてくれるこの店。

今回自宅で再現することを決めたのは、桃の冷製パスタ。そして手にいれることが可能ならば葡萄牛にもチャレンジしてみたいですね。

 

今回もBuono!Buono!でした。

ご馳走様でした、有難うございました。

 

 

 

なんちゃってイタリアンで酔っぱらう

お気に入りのイタリアンで至福の時間を過ごした二日後の2018年の海の日、男どもだけのホームパーティーを開きました。

女子会でもなく、男女混合でもない純粋に男子会のホームパーティーとしては今年二回目かな?

男子会。。。聞こえはいいですが、その実は「オヤジの集い」(笑)

今回集まってくれた面々は、学生時代からの悪友、親友ではなく、社会人になってから知り合った友人達。

その分?なかなか個性的で多彩なキャラクターが集いました。

元A◯Aの子会社のトップを務めた海外生活経験者の友人。

東邦音楽大学を卒業後、ボストンにあるクラッシック専門のニューイングランド音楽院に進みオーケストラでの演奏者を目指していた友人。

専攻が地学で日本中の断層巡りがライフワークの研究者肌の友人。

潜在能力開発や哲学、宗教で共感できる友人。

皆五十代、六十代の人生の酸いも甘いも経験してきた友人達です^ ^

 

 

 

なぜか今年は男だけのパーティーでもきっちりイタリアンフルコース。

 

当初はアミューズ無しで予定していましたが、開催前に知り合いから国産の実に立派なにんにくが送られてきましたので、もう一品追加する事にしました。

 

二日前に最高のイタリアンを経験済み。

勢い料理をする僕のテンションもあがり気味で、いつも以上に凝ったものになりましたし、今年は自宅で栽培するハーブ類も順調なので、このハーブを多用したメニューにもなりました。

 

 

 

なぜか今年は男だけのパーティーでもきっちりイタリアンフルコース。

当初はアミューズ無しで予定していましたが、開催前に知り合いから国産の実に立派なにんにくが送られてきましたので、もう一品追加する事にしました。

二日前に最高のイタリアンを経験済み。

勢い料理をする僕のテンションもあがり気味で、いつも以上に凝ったものになりましたし、今年は自宅で栽培するハーブ類も順調なので、このハーブを多用したメニューにもなりました。

 

 

 

アミューズは手作りベーコン、トマト、マッシュルームのアヒージョ。

ポイントはアンチョビの叩きを水分が飛ぶまで煮込んだオイルを使うこと。それとダシの出るベーコン、トマト、ニンニクは先に煮込んで、油を吸いやすいマシュルームは最後に入れること。

使ったハーブはリーフバジル。これは火を止めてから入れます。

友人の一人が渋谷のスパニッシュで食べたいアヒージョより美味しい!と云ってくれました。

お世辞半分としても、シェフとしては嬉しさこのうえないですね^ ^

 

 

 

アンティパストミストは5種類。

トッピングされたバゲットが二つ。

ひとつはアボカドとトマトを荒めにマッシャーで潰して、そこにはほぐしたコンビーフを入れて、オリーブオイルで和えます。そこにはバジルを手ちぎりして加えています。

もう一品はイベリコ豚のパテ。

臭みとりで、やや多めのニンニクのみじん切りを加えて、マイルドにする為に赤ワイン、なめらかにする為にオリーブオイルを入れて和えたもの。

女子会の際に好評だったスモークしたカツオのカルパッチョを、今回は自家製バジルオイルとソルトで供しました。

野菜物はアスパラのバターソテーにポーチドエッグを乗せて、それをイタリアンパセリを混ぜたイタリアンマヨネーズで食べてもらいました。

残りは定番のグリッシーニ

クラッシュアーモンドを混ぜたマスカルポーネを塗ったプロシュートをまいたものですが、言うまでもなくマスカルポーネにはハチミツを垂らしています。

この段階で用意していたイタリアのスパークリングワインは空に>_<

一人はアルコールが強くないので、僕と同じノンアルコールのビールに変更しました。

ですから、ここからは呑んべい三人の宴です(笑)

 

 

 

プリモピアットは、ゴルゴンゾーラが好きな友人の為に、ゴルゴンゾーラペンネリガーテ。

ゴルゴンゾーラにはあまりに香草をつかいません。

でも陰のテーマが自家製ハーブを使うでしたから、すこし工夫をしました。

ゴルゴンゾーラを生クリームで伸ばす前に、少量のオリーブオイルを熱して、そこにはローズマリーを入れて香りづけをしてからチーズを伸ばしました。

茹で時間の2分前にソースの中にパスタを移動して、残り時間を茹でる。

これでソースが絡むから染みるに変わります。

友人も大喜びでした、良かった、良かった^ ^

 

 

 

ペッシェは正直迷ったのですが、呑んべいには強めの味も必要と、ガーリックシュリンプを選択。

これはイタリアンではなくハワイアン、でも酔いもまわってる頃で平気でしょう。っていうか、そもそも料理がでても基本「お〜〜」「へ〜〜」「ほ〜〜」の三種類でしか感情表現しない男たち(笑)

それでも酒のつまみになるようにと、赤エビの頭は綺麗に掃除して180度の油で8分感素揚げして、おつまみ状態に^ ^

それをマッシュポテトに突き刺しました。

娘達がタレだけ持って帰ろうとするほど好評な、ガーリックシュリンプのタレでマッシュポテトも食べてもらおうというのが狙い。

この時点で2本目として開けた、たぶん我が家で一番高価なワイン、2004年物の小樽で造られた貴腐ワインのボトルが空いたようです>_<

貴腐ワインは、そもそもデザートワインで結構甘いのですが、呑んべいたちには無関係の模様(笑)

3本目の赤ワインのコルクを抜きました>_<

 

 

 

肉は豚、という友人のために用意したのは、厚み4センチ以上のロース。

それを、これも夏の定番のパプリカソースで食べて頂くことに。

肉の焼き方は、現在でパリの有名店で修業に勤む知り合いから直伝の、グリルパン&オーブンのハイブリッド焼き。

塩胡椒をほどこした肉を4枚トングではさんだら、グリルで脂身の部分だけじっくりと焼きます。

その後表面にきっちりグリルの焼き目がつくまで焼き、裏面も同様に。あとは200度に熱せられたオーブンで6〜8分。

この時間がじつは微妙^ ^;;

何せ四枚の豚肉の厚みが各々微妙に違い、個所によってはおおよそ1センチほどの差が。

こんな場合は常に上位を基準にが大切なので、4センチ強の一枚にあわせて8分焼きました。

その結果若干の熱が通り過ぎで、切ってみると中まできっちり色が変っていました。狙ったのは真ん中だけグレーとピンクの中間色だったのですが。。。

でも食は安全第一。包丁を入れたときの柔らかさはハイブリッドならではでした^ ^

ここで使ったハーブはフェンネル

それと、やっぱり男性はお肉がお好き?

年だから食が細くなって。。。とか云っていた御人も、がっちり完食、赤ワインで流し込み状態でした^ ^

 

 

 

コーヒータイムは既に16時を過ぎたころ。

猛暑のピークタイムも過ぎたので、ルーフバルコニーで外の景色を楽しみながらとなりました。

 

一人?コーヒー通がいて、この日用意していたのは、ブラジル、モカ、マンデリン、グアテマラの四種類でしたが、彼の一声でマンデリンに決定。

 

それしても。。。

モヒート、スパークリングワイン、貴腐ワイン、赤ワインをほぼ三人で空けて、まだ毅然としている呑んべい達。

老いてますます酒豪也かな?(笑)

 

まあ十数年前は僕も同類項だったので、これ以上のコメントは控えます^ ^;;

 

帰りがけは、美味しかった、驚いた、楽しかった、ありがとうの言葉が出て、本当に良い時間を持てたと感じました。

僕のほうこそ、料理という趣味を楽しませてくれて有難う。

 

35度を超える、暑い暑い海の日に、親友と親交を深めることが出来て心も熱くなった気がします^ ^