寄席で浅草

振り返ると今年三度目の落語です。
最初は新年初笑いと称して、浅草園演芸ホールへ。次が御贔屓の噺家柳家喬太郎の二人会を聞きに一月の末に、何とも交通の便の悪い会場の荒川サンバールへ行きました。


そんなんことで今回は今年で三度目。とはいえ、約半年ぶりの寄席です。
しかも今回はなかなかの演者揃いです。ばっちり有休を使って家内と寄席ライブデートでした。

 

 

 

 

鰹節の美味しさを堪能する

いつも寄席で困るのがお昼ご飯。
上野鈴本演芸場は開園が12:30なので、まず問題はないのですが、浅草演芸ホールの開園は11:30。
大半の飲食店の開店が11時か11時半なので、浅草界隈でお昼ご飯を食べたとしてもギリギリか、それでも間に合いません。勿論、オレンジに江戸文字黒文字の牛丼屋さんの類なら、早朝、下手すると24時間営業の店もあり、十分に寄席の開園に間に合いますが、それhじゃ味気ない。


そんな中、是非食べてみたく、しかも10時半から営業している店を、御茶ノ水に見つけたのです。その店の名は「鰹節丼専門店 節道 東京淡路町店」
ちなみにGoogleでの評価は4.6口コミ数141という、口コミ数はまだ少ないながらも驚異の評価です。本店は京都のようですね。



まあ、その拘った鰹節、高級な本枯れの鰹節で、口に入れた瞬間消えるような薄さに削られてるようです。
食べ方も最初は鰹節単体、次に鰹節の卵かけご飯を堪能して、最後に出汁をかけてお茶漬けで締めると、事細かな説明書がありました。

僕たちは鰹節丼だけじゃなく二品のおばんざいの付いた一人1300円のコースにしてみました。

 

 

 

和モダンよりも和コンテンポラリーとでも呼びたくなる、こじんまりとした小洒落た店内。

運ばれてきた定食の、まずは鰹節の量に驚かされました。いわれたように鰹節を小鉢に移して、ご飯のどんぶりをフラットにしてから、カツを節を口に運ぶと、まさしく一瞬で消えてきました。

 

出汁としての鰹節は大好きなのですが、冷ややっこなどに薬味で使う鰹節をそれほど好まない僕。でもここの鰹節は明らかに違いました。
まずは本枯れの本鰹節であるという素材そのものの良さと、もう一つはその薄さです。店内にエアコンの風が流れていないわけが分かりました、あの薄さだと間違いなく鰹節が飛んでしまうからです。
薄いほどおいしいのは、生ハムやラスパドゥーラと相通じるものがありますね。

 

推奨された三つの食べ方で一番おいしかったのは、やはり卵かけご飯と鰹節でした。それとおばんざいのレンコンのきんぴら、生湯葉とわかめも、とても上品で美味しかったです。

 

 

 

平日にもかかわらず盛況の寄席

七夕前日の7月6日。実は今朝も雨が降っていました。
さすがのMr晴れ男もここまでか!と観念した今日の天気でしたが、まあ、ずっと館内で寄席を楽しんでいるので天気は雨でもいいか。。。ぐらいに考えていたのですが、家を出る頃には雨から曇りに。その後はお日様も拝める天気に。
まだまだMr晴れ男の伝説は続くようです。

そんな晴れの日の浅草は。「エモい浅草」現象も手伝って、若い人で溢れていました。で、僕たち「年金お達者クラブならびに予備軍」はといえば。。。
皆さん、浅草の街ではなく浅草演芸ホールに集結していたようです、開演から僕らと同世代や、さらなる人生の先輩諸氏で埋め尽くされていました(笑)

 

 

 

寄席の楽しみの一つに、自分のお気に入りの噺家を見つけるというのがありますが、今回この楽しみを満たしてくれたのが「林家たけ平
師匠は林家正蔵ということですが、師匠よりも馬力のある話っぷりは聞いていて心地よかったですね。

 

 

 

春風亭一之輔は、ある意味今一番ホットな噺家かもしれません。超長寿番組笑点で円楽亡き後、そのレギュラーの座を射止めました。
過去に一度ぐらいは寄席で見たことはありますが、それほど強い印象を持たなかった一之助。でも、笑点では今最もチケットが取れない噺家と紹介され、まさに鳴り物入りでの出演でした。

しかし。。。一部ではシナリオがあるといわれてる笑点にあって、期待ほどの回答もなく如何なものかと思っていたのですが、寄席での落語はなるほど!と思わせるに十分な落語でした。

 

 

 

一之助のように笑点に入ってきた人もいれば去った人もいます。それが林家三平です。
噺家としての家柄は文句なし。しかしそれと実力は別の話。
ゴーストライターがいると噂のある笑点にあっても、故円楽のように人を引き付ける話術を持つ落語家もいれば、残念ながら当時の三平のように、正直つまらないと感じる輩もいました。

しかし苦悩は人を成長させえます、その苦悩から逃げずに向き合えば。
今回三平の落語を見て聞いて、そこに確かな成長を感じました。まだまだ深みは感じないながらも、それは今後の人生経験が醸成してくれるでしょう。
一皮剥けた三平を見て少し嬉しくなりました。

 

 

 

因果なものというのか三平の後は、三平の元義理の兄になる春風亭小朝でした。
まあ噺家の世界では、その手の因果もネタにしちゃうんでしょが。

小朝の独演会は、昨年出かけました。まあ僕の中では、小朝、志の輔喬太郎噺家三羽鳥です。冒頭でも触れたように喬太郎の二人会にも出かけました。残るは志の輔だけですが、実はこの志の輔のチケット入手が最も難しい。しばらくの間はTo Doリストに残りそうです。

 

で、小朝。演目は古典の「千両みかん」やはり名人芸ですね、引き込まれました。話の強弱、早い遅い、そして間。どれをとっても非の打ちどころがありませんでした。

 

 

 

 

とりを務めた三朝の演目は妾馬(めかうま)
自分の妹がお世継ぎを生み、それにあやかる八五郎の話なおですが、これが結構上手い。多分一度ぐらいは寄席で三朝も見たことはあると思いますが、正直見た目に記憶はあっても演目は皆目思い出せない(汗)

でもとりを務めるほどなのでの期待感はあったのですが、その期待を上回るいい話っぷりでした。
今回はお気に入りの演者が多かったので、有休をとってまで浅草に出かけましたが大正解でした。有難うございます。

 

 

 

 

これが本日の豪華な演者の面々です。
浅草演芸ホールは昼の部夜の部の入れ替えがありません。つまりその気になればお昼11時半から夜の20時半までの9時間の落語三昧が可能なのです。

一度この落語マラソンに挑戦したいね!と家内。
僕につられて落語を聞くようになり、ともに寄席に足を運ぶようになった彼女も、だいぶ落語にはまったようですね。

 

 

 

 

昼の部が終わった16時半に外に出て初めて分かったのですが、今日はすごい暑い日だったのです。

都心では34度を記録したとか。。。あと2,3度で体温です。
僕も暑すぎてTシャツ一枚になって浅草演芸ホールの前で写真撮りに臨みました。

 

そんな気温も影響して、予定していた晩御飯は二転三転しました。

 

 

 

 

事前調査なしは、やっぱり。。。

そもそもの予定はこれでした、味噌煮込みうどん。
なにせ天気予報では雨で、気温もこんなに上がる予定もなかったのです。
それに都内においしい味噌煮込みうどんがない。結構前に、名古屋の元祖と本家争いの一方の雄、山本屋総本家(僕が好きなのは山本屋本店のほう)が、秋葉原に出店したのですが、いつの間にやら撤退。

そこで探した結果、本郷にある「罠」という店に辿り着いたのです。面白いことにどうも店主は東大卒とか。。。

ところがこの暑さ。さすがに暑すぎ日に熱いものを食べても、味の正確な評価ができないような気がして、次回に伸ばし今回はもう少し涼しげなものにしよう!となりました。

 

 

 

そこで先日テレ東の番組でやっていた秋葉原にあるホタテラーメンに変更しました。何しろこのラーメン、ラーメンデータベースで96という驚異の数字を叩き出してる店。

しかも食べ方も、最初にホタテのカルパッチョを食べて口の中をホタテ味で満たし、次に冷たい粘性の強い昆布だしだけを纏った麺を楽しみ、最後に熱いホタテ出汁満載のつけだれで、つけ麺として食べるという凝りよう。

 

夜の部の開店が17時半だったので、17時過ぎに到着し、出来れば10番から20番までの間で待てれば、何とか待ち時間1時間から1時間半で済むかな?と淡い期待をして店舗に向かいました。

するとなんとラッキーなことにジャスト10番目ぐらいに並ぶことが出来、オーナーかな?がメニューの確認をしに来てるようでした。

そして僕らの前。お名前は?と尋ねられ、僕ははっ? 
記帳はまだなんですね、今からだと最短で20時30分のご案内になりますとのこと。
なんとその待ち時間3時間30分で、過去の食べ物や待ち時間のばっけんレコードになります。

 

 

 

3時間半も待つ気合も、根性も、熱意もなかったので即予定変更。
ならばとHoldayのプライベートに登録してある全国の「行きたい、行くべき飲食店」の中から秋葉原近郊でのお店を探し、そこに予約の電話を入れました。


その店はトリュフ饅頭が名物の浅草のルディック。ところが電話は通じたのですが本日定休日とのこと。
でも上野にブラッスリーをオープンしてそこは本日も営業してますの言葉に、評価も調べずに予約しました。

 

 

 

上野駅から徒歩で5分強かな?静かな住宅街の中にその店はありました。
これは僕の経験則からなのですが、商店街から外れた住宅街にある店は総じてはずれがない。
まあ、人通りの多い商店街の一元客も狙える家賃の高いところではない分、そこを目指す特定客で商売が成り立ち、しかも家賃負担が減った分を原価率を上げることが出来るので、店の評判が上がり結果特定客の数が増すという好循環が生まれるからです。

 

ということで、立地からの評価は高得点でした。

 

 

 

最初の不安はドリンクオーダーからでした。
食事がメインだったのでノンアルのビールを一本だけオーダーしたら、栓を抜いて二本持った来られたのです。
一本しかオーダーしていない旨を伝えると、急遽「夜はワンドリンクでお願いしています」と、とってつけた言い訳。
オーダーの際にも、メニュー表にも一言もそんなことなかったじゃないですか。

この段階で、テンションはがた落ち。というか、味だけではなく会計時の分けのわからないサービス代などの不正?不詳?会計の心配にもおよび、オーダーを見直しました。

 

 

 

お勧めだったひよこ豆のトリュフ何とか。
可もなく不可もなく。

 

 

 

鶏もも肉プロバンス風。付け合わせは前菜メニューにもあったラタトゥイユで、これも可もなく不可もなく。

 

 

 

鴨肉のメンチカツ。不明のソースを添えて(笑)

同じく可もなく不可もなく。

 

とにかくこの三品だけで止めておいて本当に良かったです。正直まずくはないですが、決して美味しものでもなく、まあその辺の洋食屋さんで供されるそれと差異はなかったというのが感想です。

勿論オーダー間違いからくる感情のバイアスが、評価を幾分落としていることは否めませんが、それを差し引いても再訪はありません。
とともに姉妹店でこの程度なら、浅草本店も推して知るべしということで、 Holidayから情報を削除しようと思います。

備えあれば憂いなし。
やはり事前の調査、下調べは何事でも重要ですね。あたらめて勉強になりました。