七夕 寄席と快気祝い

 

 

真打披露口上

毎年その年をどういう年にしたいのか目標を決めてきました。

しかし、年ごとに毎回新しい興味関心事がふつふつと湧き上がってくる訳ではなく、還暦ともなればおおよそ感心事の方向は決まっているようです。

 

数年前かな?その年の目標の一つに世界遺産検定か、江戸文化歴史検定を受けようとしていましたが、仕事の多忙度合や私生活などを勘案して、達成できそうのない目標と判断して止めた経緯があります。

 

でも興味関心を失ったわけではなく世界遺産TV番組で、江戸文化への関心は昨年から行きだした寄席に足を運ぶことで続いています。

いや、正しくはこと寄席、落語に関しては完全に趣味の一つといえるまでになりました。

 

上野鈴本、浅草演芸ホールは昨年から各々複数回通い、新宿末広亭池袋演芸場に足を運ぶのも時間の問題と思っていましたが、その前に是非行ってみたかった国立演芸場

 

あいにくの小雨交じりの七夕の7月7日、行ってきました。

 

 

 

国立演芸場国立劇場横に併設されています。最寄り駅は永田町。

永田町など国会図書館に行ったとき以来、下車した記憶がありません。

 

ただ永田町出口4番から国立演芸場途中までの青山通りは車で何度も通ってる、馴染みの道。

方向音痴?景色長期記憶が苦手?のbabarinaも「この道、何度か通ったよね」

 

何度か、ではなく数えきれないぐらい往来してます、ハイ(笑)

 

 

 

国立であっても入り口の間口は浅草演芸ホールとほぼ一緒(笑)

でも雰囲気はレトロ感満載の浅草のそれとは違い、上野鈴本のようなこざっぱりしたもの。

 

一階の入り口を入り会場は二階でした。

二階には休める場所があって、そこでおにぎりやサンドイッチなどの簡単な食事をしている人もいました。

 

どうやら浅草演芸ホールや鈴本と違い、会場内での飲食は禁止の模様。

そこは国立の格式でしょうか、まあ寄席という庶民の芸能でも民間とは違い、ほんの少しのお堅めのルールがあるようです。

 

 

 

13時開演の寄席も何席かが終わり緞帳が下りてきて暫しの休憩。

その後時間となりまして緞帳がす=っと上がりますと、そこには紋付き袴という日本の正装で襟を正して正座している噺家が五人、床に頭をつけんばかりに深くお辞儀をしていました。

 

そう、真打披露口上です。

 

その司会進行を務めたのが昔々亭慎太郎で、春風亭柳好、三笑亭夢太朗、そして立川談幸がお祝いの言葉をしゃれっ気たっぷりに披露。

その間真打はずっと頭を下げ客席に顔を向けたまま身じろぎもせずにいました。

 

余談ですが新真打の立川吉幸師匠(真打になって師匠と呼ばれるのが正しいそうです)はじめ、立川の名を関した噺家さんを鈴本、浅草演芸ホールで見たことがありませんでした。

不思議に思ったので後で調べてみたら、色々あったんですね落語業界も。

 

簡単に言えば1978年に起きた落語協会分裂騒動の余波?遠因?で立川流の元祖 立川談志が一門を引き連れて立川流として独立し、それに対して定席の上野鈴本、浅草演芸ホール新宿末廣亭池袋演芸場立川流を出演させない申し合わせが出来たようです。

だから今でも立川流はお江戸上野広小路亭お江戸日本橋亭、日暮里サニーホールでしかお目にかかれない。

 

そんな経緯もあり立川吉幸師匠は、立川流から落語芸術協会に移籍してきて、そこでもまた二つ目から始めて真打になった苦労人との紹介があった訳です。

 

江戸の庶民文化を今に伝える粋で鯔背な落語でも、そんなんことが起きるんですね。

まあ、人の集団。人三人亜集まれば派閥が出来るといわれますからね。

 

少し。。。少しだけ寂しいですが、真打昇進、おめでとうございます。

 

 

 

この日も正面前から三列目でたっぷりと落語を堪能しました。

 

前列三列目というのは初めてだったので楽しみだったのですが、離れて見るよりも顔の表情や、扇子、手ぬぐいなどの小物の使い方のディテールが、より一層伝わってよかったですね。

 

これはコンサートでもいえることですが、やはりライブモノは演者と近いにこしたことはない。

離れているとわかりにくい表情の変化などのスパイスが利いて迫力が増幅します。

 

上の画像はこの日の演目ですが、真打の演目は「試し酒」

この一席は初めての演目でした。

 

話は丁稚奉公人が一挙に五升の酒が飲めるというのを確かめるといった筋なのですが、ここで扇子が大きな盃になります。

その扇子の盃を使って酒を飲み干すときの仕草と喉を鳴らす音が天晴!

まあ、本当に飲んでいるようなゴクン!という平穏に思わず身が乗り出しそうになりました。

 

流石真打。

これからの益々のご活躍を期待しています。

楽しい時間をありがとうございました。

 

 

 

有楽町で快気祝い

さて長女の旦那、義理の息子ですが、仕事で怪我をしました。

どういったシチュエーションなのかよくわからないのですが、仕事をしている最中、どうも事務仕事らしいのですが、そこにモノが落ちてきて親指の付け根あたりを直撃。

 

結果複雑骨折になり、あろうことかの全身麻酔での手術。

僕も若かりし頃スキーであろうことかの両足骨折を経験していますが、麻酔などしなかったと記憶してますが。

 

快気祝いをしてあげることが出来たぐらいですから、手術も無時に住んだのですが、そのいきさつを聞いたら、どうも本人が意識がある中での手術に怖気づいてこととか。。。

 

ちょっとした格闘家ぐらいの体格なのに蚤の心臓。驚くやら、少々情けなくなるやら。。。

 

 

 

バーデンバーデンは僕の記憶が正しければ学生時代、つまり四十年以上前からあったはず。

日本のドイツ料理の草分け的存在で、大好きな番組「アドマチック天国」の有楽町編でも、栄えある第一位にランクされたはずです。

 

アルコール、中でもビール大好きな義理の息子の快気祝いにはうってつけと思ってリザーブした次第。

 

先ずは長女負債、次女と僕達でいつもの仲良し五人家族の記念写真を。

そして義理の息子は言うまでもなくビール、僕はノンアル、他は各々好きなソフトドリンクで快気を祝って乾杯!

 

 

 

初めてのドイツ料理専門店。

ジャーマンの料理には詳しくなく、ソーセージが美味しいはず、ザワークラウトなるものがあるはずぐらいの知識しかなかったのでコース料理を頼みました。

 

最初に出されたのが季節のサラダ。

取り立てて特徴的な食材もなく、ドレッシングもどこ風という特徴はない一般的なものでした。

 

それとジャーマンポテト

名前だけなら知っていますが、僕がイメージしているものとは違いました。荒めに作ったマッシュポテトのようなもので、味もこれといった特徴はなかったですね。

 

それとこれもドイツ料理でしょうか?それともバーデンバーデンのオリジナルでしょうか、フライドパスタです。

太さからいって間違いなくカッペリーニ。これを揚げて塩?ないしは味の素のようなグルタミン酸、またはその双方を振りかけたものです。

これが妙にはまる味(笑) 自宅でもやってみたくなった次第。

 

 

 

肝心のウインナーからは食事や会話に夢中になっていて、すっかり大切な写真撮りを忘れてました。

そこでメニュー回顧のためにもということで、ネットから見つけた画像で代替です。

 

凄い期待感で一杯だった本場のウインナー!

期待過剰だったのか、味はそれほどでも。。。過去に食べた腸詰屋や、毎年お歳暮で送られてくる守谷のハンス・ホールベックに軍配が上がりそうで、2016,7 年末年始の旅で行った今は無きSAINT SCHWEINのほうが明らかに美味しかったですね。

少し残念。

 

厚切りベーコンはミディアムレアに焼かれて熱々の鉄板のうにザワークラウトがのせられた上に盛り付けられて運ばれてきました。

こちらは期待通りの味でジューシーなベーコンを堪能できました。

ソーセージでは常温、ベーコンでは熱せらてたザワークラウトを味わうことが出来ましたが、どちらも好きでしたね。

ザワークラウトのレシピを一度調べてみたいと思います。

 

そしてこれが本日のメインだったかも、シュニッツェルです。

これは牛肉のフライ、イタリアンでいえば子牛のミラノカツレツです。からっと揚がったシュニッツェルの中身の肉も味があり美味しかったですね。いくらでも食べれそうな軽めのフライでした。

 

最後はなぜかペペロンチーノ。

メニューの名称も「ペペロンチーノ」でしたので、これは明らかにイタリアン(笑) 勢い味の評価は厳しく成ります。

パスタの湯で加減は合格ですが、味がやや問題。

何しろ塩味が強い、そして乳化していない。だから分離していない脂とゆで汁がお皿の底にあります。ちょっと厳しいですが、いくらドイツ料理の店といえどもペペロンチーノと銘打つのであれば、もう少し勉強しないと。

 

 

東京ミッドタウン日比谷

さて快気祝いで盛り上がったあとは河岸を変えてお茶でも、ということで東京ミッドタウン日比谷に。

恥ずかしながらビルが出来てから二年、一度もここに足を運んだことがなかったのです。

 

すると長女がポルトガル産のかわいいタオルを売ってる店があるから行こうよ!

ということでお茶の前にウインドーショッピングへ。

 

ところがところが、そのタオル屋さんもいい感じの品揃えだったのですが、そのお向かいに強力な磁力を発する店が。

店の名は「YELLOWKORNER」 カテゴリーはインテリア&デザインのようです。

 

この店後で調べたら2005年にパリで開業したらしく、コンセプトは本やCDを買うように気軽に写真も購入して欲しいなそうです。

そうでしょう、」そうでしょう。

本やCDほど気軽な価格ではありませんが、1万円前後で先ずお目にかかったことがないような写真に出会うことが出来ます。

 

僕の目を釘付けにしたのは、古いVOGUEの表紙にも出てきそうなレトロな雰囲気の水着姿でパイプを咥えた女性が、プールサイドに佇んでいる一枚。

ポーズ、小物はレトロなのに、色彩と遠近感がクリアで表情がどこか物憂げ。一瞬で吸い込まれました。

 

じっと見つめていたんでしょうね、販売員の女性から声を掛けられました。

 

「写真はお好きですか?」

「ええ、写真、ポスター、絵画とアート全般が好きです」

「ご自宅にも飾ってらっしゃいますか?」

「ええ、大きさ、枚数、位置を計算して飾ってます」

「お気に入りのアーティストはいらっしゃいますか」

「廊下に飾ってるアートはすべてオキーフですね」

 

と楽しく会話を続けていると

「あなた、お買い物が終わったわよ」

若い女性との楽しいアート談義に強制的に終止符を打つようなbabarinaの声が(笑)

 

でもよかったかも。。。

あのまま会話が弾んで五分もしてたら、僕は飾る場所もないのに一万数千円のクレジットを切っていたかもです。