墓参り 奥の細道2023 Ⅰ

コロナが5類になって初めてのお墓参りに出かけました。

 

 

 

 

いつものように早朝自宅を出発し、ひたすら東北自動車道を北上しました。

今回は妊娠中の長女の姿はなく、次女と家内と三人でのお墓参りです。思い返せばこの三人は二か月前の七月にも他の用事で、秋田県山形県を訪れていました。

 

 

 

前回もそうだったのですが、早朝から東北道を北上した際の朝食は、盛岡インターの手前、矢巾PAにあるやまなか家で盛岡冷麺を食べるのが恒例でした、数年前から。

ところが、今年のゴールデンウィークに訪れた際に口にしたやまなか家の盛岡冷麺は、それまでのものとは別物?と思えるほど味の低下が著しいもので、それ以来前回の七月、今回と矢巾PAに立ち寄ることをやめました。
残念なことの一つです。

 

 

一年間ご無沙汰してました

昨年、今年とコロナ前と同じように墓参りができるようになって嬉しく、また有難く感じます。
一年ぶりに行ってみると、墓は一年間の汚れもあまり感じなく、しかも綺麗な造花が飾られていました。確かに昨年の墓参りでも造花を飾っていますが、積雪のある地方の墓なので、雪の下に埋もれるはずの造花。それに今年のジリジリと照り付ける太陽の下、造花の劣化も激しいはずなのに、まるでつい最近飾られた花のようでした。

多分どちら様かがお供えしてくれたであろう造花に、持ってきた生花も添えて般若心経を読経してご先祖様の御霊安からんことを祈念しつつ、長女が新しい命を授かったことをご報告方々感謝しました。

 

また来年、家族で来ますね。

 

 

 

秋田の定番 三角そば

なんかこの画像、デジャブ?
七月の時と同じですね、横手で食べた三角そば。このまるでお澄まし?と思えるようなあっさりさっぱりなのに、しっかり魚出汁の効いた、どんぶりからあふれんばかりのスープ。

麺はまさに超高級な生のチキンラーメンのような細麺のちぢれ麵が、このスープにいい感じに絡んで、ラーメン好きの僕たち夫婦でも類似のラーメンが思いつかない、正に唯一無二のラーメンで、秋田に来たら絶対に外せないものの一つです。

 

 

今まで東北に来た際は、亡き母が好きだったかみのやま温泉の日本の宿 古窯が十年以上定宿として毎年利用していました。
しかし昨年のお墓参りの際に投宿した際の晩御飯に全員失望しました。メニューが変わってしまって、これがお世辞にも良い方向ではなく、明らかにその逆になってしまっていたからです。

そんなことも影響してると思います、例年「プロが選ぶ日本のホテル旅館100選」で、毎年総合順位で10位以内だった古窯が、ついにトップテンから姿を消していたのです。

そこで亡き母の東北でのお気に入りの宿のツートップのもう片方の雄、あつみ温泉の萬国屋を利用してみることにしました。

 

 

あつみ温泉に向かう

そうなるとルートがドーンと変わります。

今までは横手から山形に向かってましたが、今回は山形でも海側の酒田、鶴岡に向かう道程となり、初めて走る道でした。

すると景色も施設もみな見るものが新しく、途中象潟でねむの丘という大きな道の駅を見つけて立ち寄ってみました。ここは秋田の名産品が所狭しと並べられていました。

 

 

 

あつみ温泉 萬国屋到着

温海川沿いに建つ350年の歴史を持つ大型の旅館、萬国屋には16時半ぐらいに到着しました。
正面玄関の車寄せでは深々とした礼で迎えられ、宿の格式と重みを感じました。

 

 

 

僕自身が隠れ家のような部屋数の少ない宿よりも、大型の和風旅館が好きということもあり、かみのやま温泉の古窯や月岡温泉の泉慶・華鳳、稲取温泉の銀水荘などがお気に入りなのですが、ここ萬国屋も建物自体がなかなかのものす。

部屋に行く前に館内を紹介しますね。

広いロビーをより広く感じさせているのは、恐ろしく高い吹き抜け天井でしょう。
廊下幅も6人が連れ立って歩いても、まだ余裕がありそうな幅です。

 

 

スペースリッチ。。。
今まで訪れた大型和風旅館の中でも、この贅沢な空間の使い方は、かなり上位になるでしょう。貧乏性の僕にとっては少し勿体ないんじゃない?と感じるぐらいでした。

でも、そのゆとりある空間がもたらす効果は大きく、とにかく心からゆったりできます。
さらに凄い、太っ腹と感じたのがフリードリンクコーナー。ウエルカムドリンクじゃありません、なんと5:00から24:00まで、つまりほぼ丸一日飲み放題なのです。

そこにあるのはお茶に各種ジュースに炭酸飲料。二台あるコーヒーメーカーはボンマック製で、エスプレッソからカフェラテ、ドリップと8種類に対応してました。

少し離れた場所には、これまた大型の自動販売機が複数台あったのですが、正直この自動販売機の売り上げが気になるぐらいの、フリードリンクの充実ぶりでした。

 

 

 

お部屋は四階

部屋は四階の山を望む側で、大きな玄関スペースがあり、畳敷きの広縁を含めると13畳ぐらいでしょう、広い部屋でした。

 

 

障子戸を開けると山の緑が目に飛び込んできます。

 

 

トイレ、洗面室は一般的でしたが、室内の風呂はユニットバスではなく、檜風呂でした。

 

食事の前に皆でお風呂に行きましたが、ここも萬国屋も勿論大浴場は時間制の入れ替えでした。
大浴場はとても綺麗で、お湯の感じも少しだけ熱めの、僕が好きな温度でいい感じでしたね。露天風呂は四人も入れば満杯ぐらいの小さめのものでしたが、源泉かけ流しでこちらは内湯よりも少し温め。思わず長湯をしてしまいました。

 

 

お待ちかねの夕食

食事は出羽三山という食事処ででした。
ここは内部が個室、ないしは個室風になっていて、他様の目を気にせずにゆっくり食事が出来るようになっていました。

 

 

 

小部屋に通されて少し驚いたのが、すでにセットされている料理の数々。

八寸、山形牛、松茸土瓶蒸し、冷がけ蕎麦、鮑、香の物、食前酒。結構なボリュームですが、これ以外にお品書きには、お造り、季節の茶わん蒸し、芋煮、食事にデザートまであります。

 

お墓参りの食事なので偲ぶ会でもあります。こうしてお墓参りをさせていただくことで家族が集まり故人を偲びながら、一緒に食事できることに感謝して「いただきます&乾杯」

食前酒の梅酒は古窯に近いものでしたが、少しだけアルコール度数が強いようです。

 

 

お造りは一人一人に船盛で供されました。

亡き姉から教えられたサザエはお刺身が一番おいしいの、そのサザエのお刺身がついてきましたし、お造りの定番の鮪も、ここのは味が濃厚で美味しかったですね。

それとボタンエビのまったりした舌ざわりもよかったです。

 

 

いい出汁の効いた、そして秋の味覚の大様の松茸の風味が効いた、それはそれは美味しい土瓶蒸しを楽しんだ後は、山形牛のせいろ蒸しです。

 

珍しいやや酸味のある胡麻だれと、少し強いポン酢で食べる山形牛は、肉の下にキノコと野菜が潜んでいました。肉も柔らかく、つけタレも美味しかったのですが、実は肉が二枚に織り込まれていて、結果見た目の量の倍近くまであり、食べ応えが十分でした。

 

 

近頃たまに目にする煮凝り?がトッピングされた茶わん蒸し。これも上品な出汁の効いた、とても美味しいものでした。

次女には事前に甲殻類が苦手で伝えておいたところ、お造りのエビの代わりに、白身魚のお刺身でしたし、茶わん蒸しは、なんとてっちりの昆布蒸しというっことで、大きなフグの身が昆布敷の茶わんで出されてました。

 

そもそも次女の席には甲殻類、エビ、カニ、貝類アレルギーのアラートの立て札が立てかけられていて、その気遣い心配りに驚いていいました。

 

 

山形名物の芋煮です。

正直これは僕たちの定宿 古窯で出されるそれが、あまりに絶品なので、大きな期待は抱かなかったのですが、いい意味で期待を裏切られました。

古窯のそれは直接的で積極的な美味しさなのですが、萬国屋のそれはその対極にあり、控えめながら上品な出汁の美味しさが具材にしみ込んだ、また趣の違う逸品でした。

 

 

鮑が食べられない次女のために、のどぐろの煮つけを別皿で追加していたのですが、そののどぐろが大きい!

次女がとても食べきれないということで、半身を崩して僕と家内でいただきましたが、これがまたのどぐろの脂と煮汁が混じって実に美味でした。

 

 

この鮑のつくコースが今回選んだコースです。鮑は固形燃料に火をつけるまで動いていた刺身でもいける新鮮なもので、火を通しすぎた家内のアドバイスもあり、ミディアムレアの蒸し焼きにしました。

そのためか鮑の触感を感じつつも、ナイフですっと切れる絶妙の仕上がりになり、大きくて美味しい鮑のステーキをいただくことが出来ました。

 

 

食事は山形ご自慢のつや姫のご飯に、これも山形ならではのサクランボの漬物も入った香の物と留椀です。

正直食事までの料理の量が多く、ご飯はいらないかな?ぐらいに感じましたが、山形の漬物は美味しい^ ^

 

 

デザートは古窯と同じくプリンでした。しかも入れ物も似てますね。

なめらかな口当たりも一緒。山形の有名どころの旅館では、プリンのデザートがはやりなのかな?

 

 

大満足の晩御飯のあと、例のフリードリンクコーナーにいき、食後のコーヒーを楽しみました。

浴衣を着て真っ赤の番傘と深紅の毛氈で気分は京都?(笑)

 

いや~何から何まで美味しかったです。

ご馳走様でした、本当に有難うございました。

 

その後部屋に戻り、僕は温泉に投宿した際のルーチンの就寝前のひと風呂を浴びて、布団に入りました。