家族四人の晩ご飯
コロナ渦で2019年以来の墓参りの決行は年頭から決めていました。
いつもお盆の混雑期を避けて、9月初旬に行くのが恒例で今年もそうしました。
早朝から車で出かけるので、その前日から娘たちは実家に戻ってきます。
コロナでなかなか会えないご時世なので、久々に戻ってくる娘たちのために、晩ご飯は腕に縒をかけてのイタリアン。。。と思ったのですが、明日のお昼ご飯は食べログ全国イタリアンランキングで15位のオステリアを予約していたので和食に変更。
松前漬けの丼に本鮪の中トロの刺身、鰹のたたきに鰯のつみれ汁。デザートがわりの娘たちが大好きな桃のインボルチーニだけイタリアン。
美味しい、美味しいといいながら食べてる娘たちと家内の顔を見てると幸せな気分になりました。
お墓参り
丸二年掃除されなかったご先祖様の墓には、うっすらと苔が生えているところもあり、結構な汚れがありました。
それを家族四人で3、40分かけて、汚れを落としました。
綺麗になったお墓の前で読経をして、きっちり拝ませていただきました。
来年からはまた毎年お墓まいりに参りますと誓って、墓を後にしました。
イタリアンの名店
正直にわかに信じられませんでした。それは食べログのイタリアンの全国ランキングで15位に秋田県の大仙市にある店が選ばれていたことが。
東京だけでなく首都圏や関西、名古屋方面らわかりますが、東北の、しかも仙台でもなく、失礼ながら花火ぐらいでしか知られていない大仙市に、そんな名店があるなんて。
ただこの店のオーナーシェフは僕も好きな東京の名店、千歳船橋のフィオッキで修行していたとか。となれば期待は大です。
エクステリアは木製の塀、インテリアはナチュラルでシックな店内です。
オーナーのセンスの良さを感じます。あとはサービスの質次第ですが、これならコペルトを設定していても納得です。
まずは三年ぶりにご先祖様の墓参りができたことに完敗しました。
あれほど好きだったブラッドオレンジジュースでなく、娘たちはジンジャーエールと烏龍茶でした。
云うまでもなく僕と家内はブラッドオレンジジュースです。
まるで宝石箱のようなアンティパストミスト。
野菜を中心に地物の海の幸、山の幸も散りばめられたものでした。
パンは焼きたてのホカッチャでした。
焼きたてのパンは、香ばしい外側とふっくらした内側、それと小麦の香りが三位一体になって美味しいものでした。
ズッパ。要はスープです。
修業先がフィオッキと聞いてたので、間違いなくこれが出ると思ってました。フィオッキの売りはズッパですから。
説明では20種類以上の野菜を塩だけで味付けしたと、自慢げにカメリエーレを兼務してると思われるコックの一人が言ってました。
実際に食してみると。。。
確かに強い野菜の複雑な味はしましたが、それと美味であるは必ずしもイコールしない。
ズッパの次はリゾットでした。
男鹿で取れたなんとかと云う貝と、地場のなんとかと云う野菜のリゾットで、これも味付けは塩だけとか。
アンティパストミストから二種類のプリモピアットをいただきましたが、その全てが地物の素材を使って、味付けはほとんどが塩だけと云う手法。
数年前に訪れた山形の奥田シェフのアル・ケッチャーノに似たものを感じました。
二種類目のパンです。
イタリアからフレッシュポルチーニが入りました、の説明に心踊りました。
数あるキノコの中で僕が一番好きなのがポルチーニ。ここ数年行けてませんが、秋になるとポルチーニとチーズのリゾットを楽しむために、恵比寿のイル・ボッカローネに足を運んでいました。
メニューはフレッシュポルチーニを使ったラザーニャ。それをオーブンで仕上げたものとのことでした。
しかし。。。
まず本当にフレッシュポルチーニ?と疑いたくなるほど香りがない、ほとんどない。
口に運んでもあのポルチーニ独特の食感や味をほとんど感じませんでした。
今日の宿の古窯までは数時間かかるので、セカンドピアット、つまりメイン抜きのコースにしたのでドルチェがサーブされました。
桃のコンポートでしたが、正直可もなく不可もないものでした。
遠方からの訪問だったからでしょうか、コースにないケーキがサービスされました。
正直コースの中で、このサービスのケーキが一番美味しかったです。
珈琲も豆が単なるブラジルでなく、農園名と風味味わいの説明まで書かれた、いわゆるプレミアムコーヒーでした。
口にしてみると奥行きはあまりないものの酸味、苦味、甘味のバランスが良いはずの、これが本当にブラジル?と疑いたくなるほど酸味の強い、何も知らなければモカか、キリマンジェロと感じるような一杯に閉口。
素材の味を大事にすることは大切なことです。
でも素材の味を大切にすると云うことと、調味料を少なくすると云うことはイコールしないと思います。
やはり「美味しい」と感じる料理であって欲しいものです。
定宿 古窯に到着
もう十年以上、東北に来た際の定宿は日本の宿 古窯ですが、最上階の7階に部屋を用意してもらったのは今回が初めてです。
古窯は大浴場が男女入れ替え制で一階と最上階の七階にありますが、到着後すぐに家族四人浴衣に着替えて一階へ。
いつものことながら古窯は当日は女湯が一階で男湯が七階。そして翌朝は逆になるのです。そんなことで我が家の女性陣は皆、入浴セット持参で一階のラウンジでウエルカムドリンクを楽しみました。
その後は彼女たちと別れて、皆一風呂浴びて晩御飯を待ちました。
お待ちかねの晩御飯
今回も個室でゆったりのお食事です。
今年の春に訪れた際に、春のメニューのせいで、慣れ親しんだ、そして楽しみにしていたメニューとは違ったので、今回は毎年恒例の9月上旬の訪問だったので、いをつものメニューを期待しました。
しかし。。。お品書きを見る限り、ちょっといつもと違う。さくらんぼや野菜を使ったお寿司や山形の芋煮がない。
お重の箱を開けてみると、その懸念が的中で、いつもの先付、八寸とは違うもの。
しかも海の幸では甲殻類と貝類が、山の幸ではキノコ類が苦手の次女にとって、今回のメニューはかなり厳しもの。
鮑の柔らか煮に松茸の土瓶蒸しですから。
お造りもコロナ前までは、確か雪のかまくらの中に入れて供されたと思いますが、氷の器に変わっていました。
ただマグロやボタンエビなどは相変らずの美味しさでした。
次女以外は大好きな松茸の土瓶蒸し。
これは秋を感じさせる料理では、秋刀魚の塩焼きとともに東西の横綱級です。
秋刀魚は自宅でできますが、土瓶蒸しはそうはいかないので嬉しい限りでした。
春は確かすき焼きだったので、今回はステーキにしました。
岩塩にわさび醤油に紅花塩。僕は美味しいお肉には塩が最適論者ですので、二種類の塩でいただきました。
ただ少し脂がしつこくなってきたと感じた時は、わさび醤油が一番ですね。
仲居さんに尋ねたら、我が家全員が大好物だった芋煮は朝食に出ますとのこと。
その代替が、どうもこのビーフシチューのようでした。
壷焼きのビーフシチューは初めての経験でしたが、これが美味!
これも好物になりました。
お食事は山形つや姫に留椀がふのりのお味噌汁。香の物には古窯名物のさくらんぼの漬物が。
これ僕は結構好きなんです。
デザートはここだけ不変、十数年続くタイすきなプリンです。
ここのプリン、ほんと美味しいですよ。
最上階に泊まれる今回は、同じ階にある展望大浴場もすぐそば。
食後少ししてから寝落ちしてましたが、はたと気がついたら一階の大浴場と入れ替え時間の30分前。
急いでお風呂に向かうとセーフ。大浴場を完全ひとりじめで楽しませてもらいました。
9月5日 快晴なり
朝風呂も必須です。
家族は別ですが、温泉に宿泊すると僕はほぼ間違いなく到着して一風呂、寝る前に一風呂、朝に一風呂と計三回は温泉を楽しみます。
古窯は毎回、宿泊当日最上階の風呂が男湯で、翌朝は一階の大浴場が男湯になります。
最上階の大浴場は巨大な大浴場と露天風呂、サウナですが、一階のお風呂には大浴場以外に一人専用の陶器の風呂が三つ、ヒノキの風呂、舟形の風呂や、ここでしか見たことのないカマクラサウナと云う名前の低温サウナがあります。
朝ごはんも、いつもながら満足です、が。
やはりコロナの影響でしょうか、ライブでの調理メニューをはじめ、他の一般メニューも品数がすくなくなっていましたね。
これも古窯恒例の花笠を持っての玄関前での記念写真。
我が家も毎回撮ってもらってます。
ぐっと山形は山形県内の名産名品を全て集めた、いってみれば道の駅のようなもので、隣接する建物では山形産の野菜や果物を手に入れることができます。
ちなみに今回は桃を買ってみましたが、本当に美味しいとてもジュシーな桃でした。
ぐっと山形を訪れたら、必ず食べるのが丹野こんにゃくの玉こん。これが本当に美味しいのです。
少ない時は一本、調子がいいと三本九玉を朝食後にも関わらず食べちゃいます。
ほんと玉こんが好きなんですね。
実は。。。
古窯に泊まった翌日の昼食にはいつも頭を悩ませます。
それと云うのも古窯の朝食がとても美味しいので家族全員お腹いっぱいまで食べちゃいます。
で、その後はぐっと山形に立ち寄った後は帰路なのですが、名物牛タンはじめ多くの美味しいものが揃ってる仙台は、昼食には立地的に近すぎます。
同じことは福島、郡山にもいえ、結果遅めの昼食として候補に上がるのが東北自動車道上の那須高原あたりになるのです。
しかし、残念ながら過去に那須高原や、その近郊をリサーチして、期待して訪れた店で納得できた経験がありません。
家族もそれならいっそ途中から常磐道に入り、守屋SAにあるまる天がいい!と云うことで、今回も守谷SAで、かなり遅めの昼食としました。
今年やっと、やっとお墓まいりに行くことができました。
今まで二年間胸につかえていたものが、やっと取り除かれた感じです。
来年からもまた家族旅行を兼ねて、ご先祖様のお墓まいりに行くことでしょう。
自分のルーツを大切にすることはとても大切なことだと思いますし、その姿を見た娘たちが、またその思いを伝承していくことでしょう。
こうして家族は永遠に繋がっていくのかもしれません。