夏休み中のホームパーティは師を招いて

 

 

ご馳走とは

59年生きてきた中で多くの人、モノ、事のご縁に恵まれました。

特に自分の人生に少なからずの影響を与えてくれた良縁の師には恵まれたと感じています。

 

そんな多くの良き師から教えていただいたのがご馳走の意味。

ご馳走とは「馳せ走る」と書く、これは相手を思う誠の心を持って精一杯走り回り手に入れてきたものでもてなすこと。

 

今回お招きしたのは僕が社会人一年生のアパレル時代の上司で、血の気の多い火の玉小僧だった僕に社会のいろはを時に厳しく時に見守りながら教えてくれたS氏。

今では家族ぐるみでお付き合いをさせていただいている関係です。

 

ご馳走の意味を今一度確認しておもてなしの準備に入りました。

 

 

 

お久しぶりです、で乾杯!

一年ぶりでしょうか、全員オレンジジュースで乾杯!

 

S氏は下戸、僕はノンアルコール歴十数年、S氏の奥様とbabarinaもお酒には縁がありません。

あいにくの雨模様でルーバルでの早めのディナーとはいきませんでしたが、親しい人とのホームパーティは心も解放されて楽しいものですね^ ^

 

 

 

イタリアンに拘らず思いを形に

今の僕に出来る最高のご馳走は、多分味覚の幅を広げてくれたハワイの味。

これを丁寧に再現し、さらには自分の味覚を信じて超えてみたいという気持ちで料理に臨みました。

 

アンティパストのハワイの味はマウイオニオンドレッシングを使ったミックスリーフとフルーツ、チーズのサラダ。

お気に入りの手作りベーコンはグリル。自信作のバルサミコソースを添えました。

三品目は夏のアンティパストの定番、桃のインボルティーニ。

 

babarinaはサラダの味にホノルルのアランチーノで食べたそれを思い出したようでしたし、下戸で食べることが趣味で味にはなかなか辛口のS氏も納得のようでした^ ^

 

 

 

初めて作るガーリックシュリンプパスタ

jijottyが残りのソースをパンにつけて全て平らげてくれたガーリックシュリンプ^ ^

それを見て思いついたのがガーリックシュリンプで作るパスタ。

 

エビの作り方は前回とほぼ一緒。ただし今回はディスプレイも兼ねてエビの頭も使いました。

 

頭は塩を振りこんがり焼き上げ、エビは一旦フライパンから取り出してガーリップシュリンプのソースだけでパスタを炒めます。

この時ペペロンチーノを作る要領で数回に分けて茹で汁を入れて炒めていき皿に盛り付けたらエビとエビの頭でディスプレイ。

 

なぜかS氏は無言で食べ続けてます>_<

どうですかと尋ねると、本当にうまいものに出会うと人は無言になるんだよ、悔しいけど本当にうまい、とのこと^ ^

 

自分でもとても美味しいと思いました。

今までに食べた、作ったどのエビを使ったパスタよりも美味しかったです。から殻付きエビをニンニクで炒め、ソースで煮込むことでエビの身と殻からエキスがソースに移るようで、その旨みを十分パスタが吸ってるのです。

これは僕のパスタの定番に決定です^_<

 

 

 

夏らしい魚料理

活魚売り場で見つけた活きのいいさわら。三枚下ろしにしてもらいました。

ここで考えたのはパッションフルーツバターを使った酸味と甘みのあるソースとトッピングで南国感の演出。

 

ソースはこのバターをEXオリーブオイルでのばし、バルサミコソルトとブラックペッパーで甘みの中に塩気を感じるものにしました。

 

トッピングは冷凍して組織を壊してから解凍して甘みを引き出したトマト。これは自然な甘みと酸味を担当。

それと焦がしパプリカ甘みマックスのパプリカの白ワインビネガーのマリネ。このマリネは甘みを強く感じるはず。

自然の酸味を担ってくれたのはゴールデンキウイ。

これらを皆5ミリ角に刻んでパッションフルーツバタードレッシングで纏めました。

 

さわらは皮目をパリッと焼き上げ白身はふっくらと。冷たいソースとドレッシングに合わせるために焼き上げてから粗熱をとってから盛り付けました。

 

酸味を効かせて爽やかに仕上げたセカンドペッシェも好評^ ^

 

 

 

パプリカのワイルド感に似合うのはポーク

肉好きのS氏。

そのS氏のために考えたメニューがパプリカソースで食べるグリルポーク。

 

年に一度ぐらい作るパプリカソースはイタリアンにあっては少々手間のかかるメニュー>_<

パプリカの甘みとかすかに感じる苦味のワイルド感のあるこのソースは豚肉によく合います。ポークはしっかり焼き目をつけワイルド感に合うようにしました。

 

たっぷりのソースの上にこんがり焼き目の豚肉、その上にはたっぷりのパルミジャーノレッジャーノ。

 

全ての料理を食べ終えてS氏曰く、腕をまた上げたな。

嬉しかったですね^ ^

 

料理をご馳走にするのは思い、愛情ですね^ ^

 

 

 

三十五年以上のお付合い

今年金婚式を迎えて74歳になったS氏。

流石は元、いや現アパレル業界関係者だけあって白のトラウザースの上には同じく白に真紅の細いボーダーのTシャツ。

上に羽織ってきたのは同じく赤のシアサッカーの長袖シャツ。

 

生き様を感じる装いには趣味の好悪を超えて脱帽です、本当に洒落たおじいちゃんです^ ^

 

 

 

 

僕の人生に多大な影響を与えたVAN Jacket。その元社員で仕事が本格的に楽しくなる三十代でVANが倒産したS氏。

その後VAN ismを貫きたくとあるアパレルメーカーに席を得たS氏の会社に入社したのが僕でした。

 

あれから三十五年。。。

お互いに山あり谷ありの人生でした。いや、大きな険しい谷かな。。。

この日も食後の珈琲を楽しみながら、懐かしいアパレル時代の昔話から僕の姉の病状まで話題はつきませでした。

 

74歳にしてアパレル現役のS氏。

自分の人生で成すべきことが明確でぶれないその姿勢は三十五年前と何ら変わっていません。

男の服飾のなんたるかを一人でも多くの人達に伝えることが使命であると今でも明言するS氏の姿勢と、年齢に関係なく実行してく行動力には頭が下がるとともに思わず自分を省みずにはいられません。

 

「たかが洋服、されど洋服」

社会人一年生の時にS氏からえられた言葉です。

 

いつまでもその生き方が僕の憧れの良き師として長生きしてください。