姉のお見舞い。そして、ビオトープ

 

 

GINZA SIX

月に一度はと決めていた姉のお見舞い、六月はずれ込んで七月一日の日曜日になりました。

 

1951年の観測至上初の六月内での梅雨入り宣言と梅雨明け宣言を受けて、快晴猛暑のこの日、もうリニュアルしてから一年は過ぎたであろうGINZA SIXに、姉の見舞いの前に立ち寄りました。

 

今までに見たことのない百貨店を作るとのスローガンのもと開店したGINZA SIX。

六階までかな?吹き抜けの回廊式の店内は、確かに売り場面積を犠牲にしても空間的なゆとりを作り出そうとする、その姿勢には心意気を感じました。

 

この回廊式の店舗は、今はない僕の大好きだった青山のベルコモンズを思い出させてくれて、最新の建築仕様ながらも、どこか懐かしさを感じました。

 

百貨店という建築物としては、ゆとり空間を持つ新しさはありますが、そうはいっても物販。

結局はインショップ、テナントで構成されているとことでは、伊勢丹三越高島屋などの他の百貨店と同じで、目新しブランドや、日本初上陸といったブランドで差別化するしかありません。

 

それにしても。。。

今時のブランドはわからないものだらけ>_< 限界は不動の地位を築き上げたヨーロッパの名筋の通ったブランドと、変わり種ではアレキサンダー・マックィーンぐらいまでかな(笑

 

面白かったのはインテリア小物と雑貨類。

結構個性的なもの、他ではなかなか見にすることがないようなものが揃ってましたね。

 

 

 

そして見つけたのが、このエイジンググラス、老眼鏡^ ^;;

 

仕事ではD&Gのフレームに、レンズだけ老眼用のものを入れたものを使っているのですが、自宅で寛いでいるときにわざわざビジネス用のトートバックにあるそれを取りに行くのも面倒>_<

時にはその老眼鏡をバックにしまい忘れて、仕事で苦労したこともあります。

 

そんなこともありLDKに常時置いておけるエイジンググラスがあればと感じていた時に、これと出会ったのです。

おやっ?と感じた眼鏡のテンプル部分が妙に長いのには訳が。。。

 

それはメガネをはずした際に首にかけることができるようになっているのです。

どこかで見かけたこともあるでしょう、メガネの両テンプルの端をチェーンで繋いで首にかけてる、妙にお高い雰囲気の?感じの人を。

 

まあ、物理的に外しても置き忘れのないようにとの仕様でしょうが、どうもあのスタイルにな馴染めなかった僕。

でもこれはチェーン無しで首にかけて肩で受け止めることができる実用新案申請中のアイデアで、とてもクールに感じたのです。

 

フレームの柄もいろいろあったのですが、僕の目に留まったのはこのグレンチェック。

どこかトラッドですがメガネにグレンチェックを使うという、その感性と、実際の仕上げに感心して手にれた次第です。

 

これで、少しは自宅での読書の機会が増えるかも^ ^

 

 

 

転院

昨年の五月に今の介護施設に入所した姉。

僕たちがお見舞いに行った翌日、七月二日に中野区内の似たような施設に転院することになりました。

 

転院前日のこの日、姉貴はいつになく血色も良く気分も良さそうで、何よりもとても饒舌でした。

自ら僕が覚えていないくらいの昔話しをして、僕も記憶にある出来事は事実関係もしっかりしていました。

 

ただ、会話が今現在のことになると、どうにも辻褄が合わないことが多くなったり、時にそれは想像?妄想?と思えるようなことも口にしました。

それでも僕は深く頷いて「そうだったんだ」と、話しを合わせました。

 

今の姉貴に大切なのは、それが事実か否かということではありません。

彼女の云うことすべてを受け入れて、共感共鳴してあげることです。

 

姉貴、七月度のお見舞いは新たしい施設になってからだね。

また来るから、元気でいるんだよ。

 

 

 

自然のある場所

ビオトープとはドイツ生まれの概念でギリシャ語からの造語(bio(命) + topos(場所))

日本語に略すと生物空間や生物生息空間となりますが、早い話が「身近な所に生き物が生息できる環境作り」で、有名なのが睡蓮鉢を使った水草やメダカの飼育です。

 

この概念を大規模にやると画像のようなビルの屋上に自然環境を構築することも。

ここまでくると正に「空中自然庭園」ですね^ ^;;

 

ベランダをウッドデッキ化している最中に、このウッドデッキの隅でビオトープを作りたいな〜と思っていたのです。

 

 

 


www.youtube.com

僕がビオトープに魅かれたのはこの動画がきっかけ。

何に注目したかというと、この水草の美しい若葉色と群生のしかたです。ちょっとした驚きでした。

 

水草という植物から関心を持ち、そこにメダカが生息できることを知り、メダカは熱帯魚と違い生命力も繁殖力も強く、水が凍ることさえなければ越冬できるということも知りました。

 

こうしてビオトープに興味関心を抱き、色々調べていくうちに是非自分でもやってみたいという欲求が生まれていたんですね。

 

そこにビオトープの定位置としてはベストな場所が、ウッドデッキ化されたベランダに生まれたのです。

 

もう一つの理由は、それまで飼育してbabarinaもかわいがっていた熱帯魚が、去年の秋口かな、最後の一匹も死んでしまったこと。

熱帯魚はデリケートですがメダカは生命力が強く、水さえ凍らさなければ屋外で越冬も可能とのこと。

 

 

 

それに驚いたことに新種改良で赤いメダカまでいる!その名を楊貴妃。ネーミングが素敵ですね。

僕の知らないメダカの世界がありました。

 

そこで我が家の風水上もいい、東南の角のウッドデッキの場所にビオトープを作り、楊貴妃とともに暮らすことにしたわけです。

 

 

 

ビオトープ初心者の僕はネットを使って勉強しました。

いろいろ調べていくうちに、他では見たこともない面白い、そして理にかなっているビオトープを発見。

 

その**[ビオトープは二層構造、つまりメゾネット式](https://ameblo.jp/kimaji0000/entry-12064005699.html)**になっていたのです。

 

上階は太陽光を受けて浮遊植物や水辺の植物の住処であり、メダカが泳ぐ広場みないなもの。

それに反して太陽光が届きにくい下層は薄暗く真夏でも水温が低いので、メダカが避暑で逃げ込めます。

 

このアイデアに思わず唸りました。

 

 

 

ということで、DIY

選んだ睡蓮鉢は直径が41cm。

今までオリーブの木を入れていたFRPプランターカバーを逆さまにして、ビオトープの台にしようと考えていたので、その台からするとこの直径がベスト。

 

ネットを駆使してお気に入りを見つけました^ ^

 

 

 

ビオトープは生物生息空間。

選ぶ植物やその配置などでどんな雰囲気にも作り上げることができる楽しみがあります。

かなりラテン濃度が高くイタリアにかぶれ気味の僕>_<

しかし、自宅のビオトープは和風にしたいと思いました。そしてイメージして作った設計図がこれ。

植物のメインはカキツバタと姫睡蓮。

これだけで十分に日本的ですが、さらに和の基本、アシンメトリーな配置でグッと趣を出そうとの魂胆です^ ^;;

 

 

 

本丸の前に外堀固め?!

睡蓮鉢を使ったビオトープ作りにはそれなりの日数を要することもわかりました。

 

大切な底砂の大磯砂を水草や魚が好きな弱酸性・低硬度の水質に変えるために、酸処理をする必要があります。

これは強度の酸性の状態の水に大磯砂を一週間ほど浸して酸化させる処理です。

 

さらに設計図に沿ったプランターや風山石を見つけなければいけません。

 

そこで、和風なビオトープの背景になる隣家との非常扉の場所を、その機能を担保しつつ和風に作り変えることにしました。

 

非常口としての機能を満たし、なおかつ和風なものといえば、すだれ^ ^

まずはすだれを配しました。

 

すだれで覆いきれない残り30cm程度の場所には、可動式の竹垣を作ってグッと雰囲気を盛り上げようと考えました。

 

 

 

折角ならば本格的なのがいい。。。ということで竹垣に使う本物の建仁寺竹を手配^ ^

 

今は本当に便利なんですね、YouTubeには建仁寺竹を使った竹垣の、その組み方までアップされてるんですね。

ということで、動画を何度も見て職人さんの麻ヒモの縛り方を覚えてから、いざ実行。

 

最初にして多分最後の建仁寺垣は、我ながらなかなかの出来^ ^;;

 

 

 

before

 

after

ご覧のように、なかなかしっぽりした雰囲気に仕上がりました。

 

すだれや竹垣だけで、ちょっとした異空間を作り上げることが出来る。。。やっぱり建築やインテリアは面白いですね^ ^

これで和風ビオトープの舞台は出来上がりました。

 

 

 

本丸着手^ ^

さて、本丸のビオトープのグランドとなる睡蓮鉢です。

集めたプランターを設計図に沿って配してみます。

 

少し狭苦しい感じは否めませんが、まずは設計図通りに進めていきます。

 

 

 

メゾネット式のビオトープの肝のスラブとなるザル。

余談ですがこれの手配がかなり困難を極めました>_<

 

何しろ直径33cmのザルがない、本当にない。この大きさのザルがないと、メゾネット式は風前の灯。基本的な考え方から見直しを迫られます。

 

しかし、念ずれば花ひらく(笑)

なんとか見つけて、姫睡蓮のプランターが入る穴を、ハサミとカッターを使った力技で開けました^ ^;;

 

二階床部分の平行感を保つためのアタッチメントとして選んだホースを配してみると、まずは平っぽくなりいい感じです。

 

 

 

さらにスラブの上の敷物で人工芝を形に合わせてカットして、まずはプランターを配置。

ここまではよしよし。

 

そして風山石を配置。

 

う〜〜ん、やっぱり狭っ苦しい、うっとおしい、侘び寂びがなくてんこ盛りの飛び出す画面状態>_<

 

 

 

before

 

after

ということで、引き算の美学。

 

思い切って花は姫睡蓮の一つとし、背後には二鉢だけにしてシンプルにしました。

それでもまだ、ややうるさい感じは残りますが致し方なしとします。

 

実際に大磯砂や水が入るとまた違ってくるでしょう。

 

 

 

次にメゾネットの一階と二階をメダカが行き来するための出入り口が必要で、姫睡蓮と同じぐらいの大きさで穴を作りました。

 

そこにネットを張り二階部分に敷く大磯砂が一階に落ちないように、さらにメダカが出入りをする際に体を傷つくないように上辺をゴムホースでカバーしました。

 

それと必ずしも必要ではないようですが、ネットでとても評判のいい太陽光で動く酸素供給機を見つけて、それもゲット。

幾つかのバージョンがある中から、面積最小で蓄電池対応型を選びました。

 

 

 

僕は考えだすととことん考えるタイプ^ ^;;

そこでどうにもしっくりこなかったのが二層構造の下にメダカが行くための出入り口。

 

僕の構想では、その出入り口の穴からはマツもが揺らめく予定。とすると。。。穴が小さすぎないかな?

 

メゾネットスタイルがわかるように、一階の敷石は白、二階部分はメダカの発色を鮮やかにするという濃い色の大磯砂で考えていたのに、白の見える範囲が狭すぎる。

 

そこで、ネットでビオトープを調べていた際に見つけた、お洒落にもほどがある!ってぐらいクールなビオトープを思い出し、同じように下層への出入り口を大きく取ることに大きく変更。

 

 

 

こうして新たに大開口を持つメゾネット構想に変更した設計のもと出来上がったモックアップモデルがこれ。

 

調べていくうちに基本的な間違い、勘違いもわかり鉢類は、すべて水が浸透する素焼きのテラコッタに変更し、瀬戸の鉢は一時待機となりました。

育てるのが水草ですから、当たり前といえば当たり前過ぎます(笑)

 

酸素供給機のホースの穴を開けて通し、実際に一階二階の双方に約一週間の酸処理を終えた敷石をしてみました。

この段階では白黒の違いがくっきりで狙い通りのいい感じ^ ^

 

大口径の出入り口への変更は大正解だったようです。

 

 

 

水辺の植物はネットでの評判からチャームという専門店?から購入。

 

選んだのは以下の五種類

・赤の花を咲かせる姫睡蓮

・花も咲かせずすっきり伸びるミズトクサ

四葉が可愛らしいウオータークローバー

・水中で揺らめくマツモ

・水面の美しきノマドのサンショウモ

 

 

 

そして、待ちに待った完成!

テラコッタの鉢に姫睡蓮はじめ、水辺の植物を植え替えて睡蓮鉢の二階部分へ。

 

ここで人工芝を切って作った土台が不要との判断になり、直接ザルの上に置いてから風山石を配していきました。

この作業、結構頭を使いました。

物心のついたころから見慣れてる和風なものや生家の庭での池、岩、石、植物の配置を思いだしたり、江戸褄や訪問着の柄ゆきを思い出しながら、1:2のアシンメトリーな美しさを岩の配置で試行錯誤しました。

 

結果としてなかなかいい落とし所に落ち着いた感があります。

 

姫睡蓮の葉と一階部分から揺らめいてるマツモの隙間からは、明らかに全面黒っぽい二階の大磯砂とは違う白の敷石が見えます。

 

少し離れたところから見てみると簾の端に建仁寺垣があり、生木のフローリングとも相まって和風な空間が出来上がってます。

そこにこの睡蓮鉢の和風なビオトープ

さすが呉服屋の息子、ラテン系を標榜していても門前の小僧ですね、と自画自賛(笑)

 

あとは楊貴妃という素敵なネーミングのメダカを待つばかりとなりました^ ^

 

 

 

気分は快晴から土砂降りへ

熱帯魚でもお世話になった店に出向いて、早速楊貴妃を三匹手に入れました。

水あわせの仕方を教えてもらい、慎重に我が家のビオトープに移し替えました。

 

新しい環境に驚いたのか、興味津々で動き回っていたのか初めは元気そのものでした。

 

ところが。。。翌日早朝、睡蓮鉢の中を覗いてみると一匹姿が見えません。。。

探してみたところサンショウモノの下で横向きになったまま全く動きません。もう息絶えていました>_<

 

何が悪かったのか。。。水あわせ?それとも水質? 不明なぶん残り二匹が心配です。

 

その不安が現実のなったのがその二日後。

もう一匹が睡蓮の葉の下で同じく息絶えていました。結構ショックです。

 

残り一匹に期待をかけましたが、その数日後。。。

今度は跡形もなく消えてしまいました。

そんな馬鹿な!と思い、メゾネットの下の階も探しましたが、やはり見つかりません。

 

そこで思い出したのが、鳥の餌食。。。

カラスはルーバルやバルコニーまでは来ませんが、ルーバルの先の建物の淵にはとまっていることがあります。

名前はわかりませんがスズメや野鳥は、ルーバルに置かれてるファウンテンで水浴びをしていることがありますし、たまにですがビオトープの置いてあるバルコニーの手すりにとまっていることもあります。

 

考えたくはないのですが、消去法だとこの可能性が大です。

簡易の方策はとっていたのですが、別の方法を考えないと安心してメダカを飼うことが出来ませんね>_<

 

 

 

和室も夏色

和風のビオトープ繋がりですが、和室も全て夏色に染まりました。

 

メインのタペストリーは鶴田一郎の浴衣の女性。

涼しげな目元、大人びた黒地の浴衣に団扇。。。見ているだけで涼を感じます。

 

鶴田一郎の絵葉書も夏模様に。真ん中は遊女でもイメージしたのでしょうか、鶴田一郎の作品にしては直接的な艶が前面に押し出された作品です。

 

絵柄手ぬぐいは水風船のヨーヨー。これも夏の風物詩のひとつですね。